「オートバイ」と呼ぶのは日本だけ! 背後にあった知られざる歴史的背景とは
「オートバイ」の語源

エンジンが付いている二輪車を、日本では一般的に「オートバイ」と呼ぶことが多い。しかし、この呼称は世界的には全く使われていない。そもそもオートバイに相当する「autobi」というスペルの英単語は存在せず、要するに和製英語である。
それではなぜこうした呼称が日本で広く使われることとなったのだろうか。今回はオートバイという呼称のルーツ。そしてそのほかの「二輪車」に対する呼称について、歴史をひもときつつ検証してみたい。
オートバイという単語の語源は
「オートバイク/autobike」
にあるといわれている。
これは1910年代前後というエンジン付き二輪車にとってまさに創生期の時代、アメリカの一部のメーカーで使われていた呼称だった。この時代、「オート/auto」や「モーター/motor」といった単語は、それまで人力で動かされていた乗り物に動力源が搭載された場合に付加されていたものだった。
ここで気になるのは「バイク/bike」という単語のルーツである。バイクは、現代の日本でもオートバイと同じく普通に使われている。しかしオートバイの元となったことからもわかる通り、その語源はオートバイよりも古い。
この単語は「バイシクル/bicycle」を略した口語的表現である。bicycleの「bi」は「2」の意味。それに周期(転じて丸いもの)を意味するcycleを合わせて、丸い車輪をふたつ備えた二輪車を意味する単語となった。
ちなみにバイクという呼称においては、エンジン付きもエンジンなしも同じ様に使われている。自転車をバイシクルやサイクルと呼ぶことは過去も現在も変わっていない。その上で昨今ではロードバイクやマウンテンバイク、ダウンヒルバイク、クロスバイクなど、自転車をバイクと呼ぶことも完全に定着している。