バイク業界を襲う「2035年問題」 ガソリン車“新車販売ゼロ”が導く行方は天国か地獄か、メーカー「EV一辺倒打破」発言に見る正しき未来像とは
東京都は、電動バイクや燃料電池バイクなど、走行時に排気音や排出ガスを出さない二輪車をゼロエミッション・バイクと定義づけている。今後、業界はどうなるのか。
EV化は四輪車だけの話ではない

「カーボンニュートラル」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量を、植林・森林管理などによる吸収量より下回るようにすることで、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする取り組みだ。
東京都は2018年5月に開催した「きれいな空と都市 東京フォーラム」において、2030年までに都内の乗用車新車販売に占める「ゼロエミッション・ビークル」の割合を、50%まで高めるという目標を掲げた。
ゼロエミッション・ビークルとは、走行時に二酸化炭素などの排出ガスを出さない
・電気自動車(EV)
・燃料電池車(FCV)
・プラグインハイブリッド車(PHV)
を指す。さらに、電動バイクや燃料電池バイクなど、走行時に排気音や排出ガスを出さない二輪車をゼロエミッション・バイクと定義づけている。
つまり、都が目指すゼロエミッション・ビークル構想では四輪車にとどまらず、
「二輪車もEV化の対象」
というわけだ。脱炭素社会を目指す世界的な流れのなかで、四輪車だけでなく二輪車にもEV化の波が急速に押し寄せている。