人も自然も傷つけない、夢の「バッテリー式電気自動車」は本当に実現するのか? さまよう欧州脱炭素政策にみる世知辛すぎる現実と理想

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EUがエンジン車の販売を2035年以降も容認すると発表した。世界中で普及が加速するBEVだが本当にこのまま拡大し続けるのか。

本当にBEVを買っても良いのか

PHEV(画像:三菱自動車)
PHEV(画像:三菱自動車)

 一般的に考えて、「社会貢献のためにBEVを買う」という人は少ないだろうが、以下の四つの事実だけは認識しておいてほしい。

●ユーロ7規制対応で値上げ
 乗用車は2025年7月から施行予定で、タイヤとブレーキから生じる粉じんが規制対象となる。ガソリン車より重いBEVは不利だ。さらに、バッテリーの耐久性基準も設定される(詳細は未定)。

 欧州委員会は最大150ユーロ、欧州自動車工業会は2000ユーロのコスト増と予測する。この規制内容は、日米中にもいずれ波及するだろう。

●バッテリーに傷がついたら廃車
 保険会社は、さまざまな情報により損傷したエンジン車をどう扱うかを正確に把握できる。ところがロイターの調査によると、多くの自動車メーカーがEV用バッテリー・パックの何が問題なのかを解明するためのデータを第三者に提供していない。

 英国の材料科学者は2021年時点で、BEV用バッテリーの多くは

「リサイクル可能なようには設計されていない」

と指摘する。つまり、保険会社はBEV全体を廃棄するしかなく、リユース・リサイクルすべきバッテリーは使い捨てアイテムとなってしまう。

 廃棄も簡単ではない。EVバッテリーには、コバルトやニッケルなどの重金属と、土壌や水、空気を汚染するマンガンが含まれ、電池が劣化して膨張や液漏れなどが生じる状態になると、フッ化水素などの有毒物質が生じうる。

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