人も自然も傷つけない、夢の「バッテリー式電気自動車」は本当に実現するのか? さまよう欧州脱炭素政策にみる世知辛すぎる現実と理想

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EUがエンジン車の販売を2035年以降も容認すると発表した。世界中で普及が加速するBEVだが本当にこのまま拡大し続けるのか。

BEVがシェアを伸ばす決定的条件

BEVとPHEVの販売台数の推移と今後の予測(画像:Global EV Outlook 2022)
BEVとPHEVの販売台数の推移と今後の予測(画像:Global EV Outlook 2022)

 では、充電器は十分あるのか。IEAは2030年の気候目標達成の理想シナリオでは、公共の

・普通充電器:2000万基
・急速充電器:400万基

が必要と試算するが、見込みは1400万基(70%)/230万基(58%)で、目標には届かない。
 ロイターは、米国人4000人に、次の車としてBEVの購入を検討するかを尋ね、3割以上が条件付きで「はい」と回答した。条件とは、

・価格:5万ドル(650万円)以下
・航続距離:500マイル(800km)以上

であることだ。

 5万ドル以下でかつ、米国環境保護庁の基準で「250マイル」以上走れる車は、2022年9月時点で8車種だけ。最安はボルトEVで2万5600ドル/259マイルだ。テスラの「モデルS」の航続距離は400マイルだが、価格は10万ドルを超える。

 しかし、補助金があるとも言えない。バイデン政権は「米国産」以外のEV、バッテリーや充電器には補助金を出さないと宣言した。補助金対象車のリストは4月18日に公開される。そして、英国と中国はBEVへの補助金を既に打ち切っている。

「数が増えれば値段は下がる」

はその通りだが、今回は逆の勝負だ。確かにテスラと比亜迪(BYD)は中国市場で値下げ合戦に突入している。米国でもフォードが応戦するが、いずれも原価低減で価格を下げたわけではない。アナリストたちは、台あたりの売り上げ減少を相殺するほどの販売台数増加につながるのかに注目する。

 やはりBEVがシェアを伸ばすには、補助金無しでも手ごろな価格で長距離走行できる

「夢のBEV」

の登場が必要だ。

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