羽田空港アクセス線が“呼び水”に? 一躍注目の「総武線・京葉線接続新線」、実現のキモは「MICEエクスプレス」だ
東京ランキング、トップ3落ちの理由

これを考えれば、
「両空港から座席指定の特急列車でゆったりとお目当ての場所まで直行」
や、反対に
「時間ギリギリまで遊んだり、会議や商談を行ったりした後は、特急でくつろぎながら空港へ」
をかなえる交通インフラは用意すべきだろう。
現状では羽田・成田両空港との間に乗り換えなしの鉄道は前述のエアポート快特/アクセス特急のみだが、いかんせん本数が少なく、高速バスか既存鉄道の乗り換えでたどり着くのが一般的だろう。
だが後者の場合、大きなキャスター付きバッグを引きずる訪日外国人が、万が一朝夕のラッシュ・アワーに出くわせばまさに悲運で、「仕方がない」とお茶を濁すようでは観光立国もかたなしだ。
そればかりか、アジア太平洋地域の国際都市の間では激しいMICE争奪戦の真最中にある。都市戦略研究所の「2022年世界の都市総合ランキング」によれば、東京はアジア太平洋地域の中でトップの座にあるとするが、
・1位:ソウル
・2位:上海
・3位:シドニー
・4位:東京
との調査もあり、MICE施設~空港間のアクセスの悪さが東京のトップ3落ちの理由のひとつだとも見られている。
津田沼駅を介さない花見川ルートが有望か

ただMICE重視でルートを考えると、審議会の答申が掲げる「市川塩浜駅と津田沼駅との間」では日本最大級の展示場・幕張メッセ(千葉市)の最寄り駅、京葉線海浜幕張駅を通ることができず、何とも都合が悪い。このため
「海浜幕張駅~花見川~JR新検見川駅ルート(約1.8km)が新規の土地確保も少なくてすみ好都合では」
との意見もある。
幸いにも海浜幕張駅はホームが2本、線路4本で比較的余裕があり、新たな用地確保もなく線路を分岐できそうだ。ただし、総武線側は住宅密集地のため土地収用には手間・暇・コストが避けられそうにない。加えて花見川の地下部分には成田にジェット燃料を送るパイプラインが埋設されているので、特にトンネル式を採用した場合は要注意だ。
総武快速線の混雑緩和も主目的とする短絡線構想だが、
「少子化や働き方改革の強化を考えると180%という混雑率も自然と緩和されるはず。乗降客の多い津田沼駅を絡ませて京葉線に流すということに固執しなくてもいいのでは」
との意見も。
なお気になる総工費だが、2km程度とは言え数千億円規模になるのは確実だろう。後は投資効率を考えJR東日本がどう判断するかだが、観光立国の国家戦略の“推進剤”だと考えれば、むしろ国主導で整備すべきとの声も少なくない。
いずれにせよ計画の実施とルートが気になるところだ。