夜の羽田国際線が「ゴーストタウン」化、いったいなぜ? ストライキが起きない国の不思議な光景とは
ヨーロッパではストライキによる欠航や大幅遅延が頻繁に起こるが、日本では違う。その結果、羽田国際線の夜は「ゴーストタウン」化している。
羽田国際線の夜は「ゴーストタウン」化

空港の人員不足は、ストライキがない日本でも深刻だ。実際には「営業時間の短縮」という形で、利用者に影響が及んでいる。
2023年3月の東京国際空港(羽田空港)国際線。新型コロナ禍において国際線の需要が激減したころと比べて、日系および外資系の航空各社は続々と運航再開し始めている。深夜に出発する国際線は、ヨーロッパ行きや東南アジア行きなど、すでに多い。
しかし、国際線が発着するターミナルのレストランやショップなどの営業時間は現在でも短縮したままだ。その多くは20時から22時で閉店し、免税店にいたっては15時までの営業となっている。出国審査後のエリアでの営業は、なんとカフェ1軒のみというありさまだ。ラウンジも、ANAやJALを除くと22時で閉まっていた。
ゲート前のベンチに座ってひたすら待つ搭乗客が多くおり、おにぎりやペットボトルなどが売っている自動販売機には行列ができていた。店舗が閉店した後のターミナル内はなんとなく活気も失われており、人はそれなり多いのに半ば
「ゴーストタウン」
のようだった。
シンガポールやタイは既に通常営業

日本よりも先に事実上「開国」した
・チャンギ空港(シンガポール)
・バンコク・スワンナプーム空港(タイ)
などは、筆者(シカマアキ、旅行ジャーナリスト)が2023年に入って訪れた際、既に深夜でも店舗やラウンジはほぼすべて開いており、とても明るい雰囲気だった。そのため、国の首都にある国際空港であればそういった光景が当たり前だと思っていた。
羽田空港国際線ターミナルの様相は、これら海外の国際空港とはあまりに対照的で、空港の人員不足をここでも痛感させられた。