夜の羽田国際線が「ゴーストタウン」化、いったいなぜ? ストライキが起きない国の不思議な光景とは

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ヨーロッパではストライキによる欠航や大幅遅延が頻繁に起こるが、日本では違う。その結果、羽田国際線の夜は「ゴーストタウン」化している。

日本の空港は直近では打つ手なしか

 理由がストライキとはいえ、いざ搭乗予定の便が欠航や大幅遅延となると、利用客が受けるダメージは大きい。ビジネスだと行き先での予定変更を余儀なくされ、乗り継ぎがあればさらに先の旅程にも影響が及ぶ。

 それでも、ストライキというはっきりした形で会社に対してアピールすることの大事さは搭乗客もある程度理解している。

 実際、ストライキを行う相手がなんらか譲歩を見せないといつまでも平行線のままなので、結果的に待遇改善にもつながることもある。

 一方、日本では店舗やラウンジが閉まっていても、飛行機は予定通り飛ぶため、搭乗客は「仕方ない」で終わるパターンだ。出発前にカフェやラウンジ、免税店を利用しない人もいるから、営業短縮の影響は限定的との見方もできなくはない。

 ただ、営業時間を短縮するだけでは、働くスタッフの待遇は変わらないままであり、根本的な解決になっていない。加えて、全搭乗者が対象の保安検査場は日本の空港でもスタッフ不足であり、羽田に限らず大きな空港で、待ち時間の長さがすでに問題となっている。

 日本でストライキは起こり得ない。しかし、働く人たちの待遇改善が実現できなければ、人員はすぐには戻らず、営業短縮もしくは現状のまま対応するしかないだろう。新型コロナ後の世界はすでに急速に動き、どんどん先へと進んでいる。

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