「空母への野望」尽きぬ韓国 尹政権60%不支持で、建造計画どうなる? 軍も「重空母」研究着手で今後見えず

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手を替え品を替え検討され続ける4万5000t級の「韓国製空母」計画。はたして実現なるのか。

空母は「金食い虫」

 11隻を保有する超大国アメリカでも近年、空母の「金食い虫」ぶりは批判の声が大きい。艦載機を含む空母1隻あたりの予算は2兆円を超えるとされる(2021年、FISCO)。

 5000人以上の乗員の人件費はもちろん、人工知能による軍事技術の進化による空母の脆弱(ぜいじゃく)性も指摘されている。これは10万トン級のアメリカの原子力空母の話だが、先のイギリスの「クイーン・エリザベス」や同じく4万トン超のフランス海軍空母「シャルル・ド・ゴール」もやはり「金食い虫」であることには変わりない。

「洋上の「動く航空基地」としての空母の有用性は確かですから、大国はたとえ1隻、2隻でも所有することに意味があるのは事実です。もちろん威信という意味もあります。軍事力によるけん制も重要ですからね。しかし威信だけのために韓国が空母を持つのはやはり無駄だと考えます」

 韓国では、空母に絡めて日本を「仮想敵」のように書いている新聞や雑誌がある。

「空母の建造に弱い北朝鮮相手では世論が納得しない。かといって中国の驚異というのも書きづらい。「クイーン・エリザベス」のような日本を上回る空母というのは世論を誘導しやすいのでしょうね」

 この威信という意味合いのほうが大きいのかもしれない。現在3隻の空母を保有する中国も、当初はこの意味合いが強かったように思う。冒頭の韓国人エンジニアもこの意見には同意できると話す。

「韓国政府、韓国軍としては、(正規)空母を持つ国というのが大きいのです。強襲揚陸艦の「独島」や潜水艦の「安重根(アン・ジュングン)」「尹奉吉(ユン・ボンギル)」など、日本から奪い返した領土や日本と戦った英雄の名前がついています。日本より先に空母を持ち、例えば「李承晩(イ・スンマン)」など命名するとか。ナショナリズムと「対日」は韓国の政治から切り離せないのです」

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