現代起亜グループが先進的なアルカリ水電解システムを開発へ カナダ企業と水素技術で提携

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現代自動車と起亜自動車がカナダのネクスト・ハイドロジェン社と覚書を締結。先進的なアルカリ水電解システムや関連するスタックを共同開発し、新たなビジネスチャンスと技術的な応用を模索する。

グリーン水素の経済的な製造を目指す

現代自動車と起亜自動車がネクスト・ハイドロジェン社と覚書を締結(画像:現代自動車グループ)。
現代自動車と起亜自動車がネクスト・ハイドロジェン社と覚書を締結(画像:現代自動車グループ)。

 現代自動車と起亜自動車が2021年7月、クリーンな水素を経済的に製造してグローバルな水素社会を実現するため、カナダのネクスト・ハイドロジェン社と覚書を締結した。

 ネクスト・ハイドロジェンは、ネクスト・ハイドロジェン・ソリューション社の子会社であり水電解技術に特化した企業だ。締結された覚書のもと、グリーン水素の経済的製造を目的としたアルカリ水電解システム(※1)や関連するスタックを共同開発し、新たなビジネスチャンスと技術的な応用を模索する。

※1 アルカリ水電解システム(Alkaline water electrolysis system):水酸化カリウム(KOH)や水酸化ナトリウム(NaOH)などのアルカリ性電解質を用いて水を電気分解する水素製造方法。

グリーンで低コストな水素生成方法の追究

 近年、エネルギー源としての水素に注目が集まっているが、二酸化炭素(CO2)を排出せず、かつ低コストで水素を生成する方法はまだ確立されていない。

 水素の生成方法としては、一般的には天然ガスから水素を取り出す方法が圧倒的な主流であるが、もう一つの方法として水を電気分解する方法が確立されている。

 天然ガスから水素を製造する方法は、分解時にCO2を排出するため「グレー水素」と呼ばれている。また、同じ方法で製造されるが、CO2を大気中に放出せず地下深くに貯蔵するカーボン・キャプチャー機能(CO2回収機能)を持つ「ブルー水素」がある。脱炭素の観点から、グレー水素は今後の主流たりえず、またブルー水素は非常にコストがかかる。

 もう一方の、水を電気分解する方法において、「グリーン水素」と呼ばれるものがある。洋上風力発電などの再生可能エネルギーで水を電気分解して製造されるため、CO2排出量がゼロとなるクリーンな水素の一つだが、電力を消費することや、白金などの高価な触媒が必要なため生成コストが高いことが課題とされる。

 そのため、世界中の水素メーカーがグリーン水素をより経済的に製造するための水電解技術を研究している。現代自動車グループとネクスト・ハイドロジェンもこの目標を共有し、より費用対効果の高いソリューションとしての技術の開発を進めているのだ。