MINIが示す近未来モビリティ 「走る隠れ家」に込められた運転の先にある体験とは

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MINIが、新しいモビリティの形「MINIビジョンアーバノート」を公開。「クルマで何を体験したいか?」を考え、運転の先までを指向するモーメント(体験)としてまとめた。そのモーメントであるChill(くつろぎ)、Wanderlust(旅への憧れ)、Vibe(雰囲気)の中身とは。

モビリティを運転の先まで考える3つのMINI モーメントとは

「MINIビジョンアーバノート」(画像:BMWグループ)。
「MINIビジョンアーバノート」(画像:BMWグループ)。

 MINIは2021年7月、まったく新しいモビリティの形「MINIビジョンアーバノート」を公開した。2020年11月にバーチャルのものを発表していたが、今回、物理的な車両を作り、空間のコンセプトや持続可能な素材にオーディエンスがより深く体験できるようにした。ドイツのミュンヘンで開催されたDLDサマーカンファレンスで世界初公開した。

 MINIは、「忘れ得ない体験を実現しともにすること」を将来の主要な役割と考えており、そのような体験を「MINIモーメント」と呼んでいる。MINIモーメントは「クルマで何を体験したいか?」を考えることから生まれ、MINIビジョンアーバノートの概念的な基礎となっており、しかも運転という場面を超えたところまでを指向している。

 これが具体的に何を意味するかは、3つのMINIモーメント「Chill(くつろぎ)」「Wanderlust(旅への憧れ)」「Vibe(雰囲気)」の例で知ることができる。MINIモーメントに従ってエクステリアもインテリアも変化し、それぞれの体験に最適の舞台と空間環境を提供する。さらには香り・サウンド・アンビエント照明が各MINIモーメントの基本的な気分を強化する。このような各モーメントによる車両の変化はMINIビジョンアーバノートの物理的モデルによって現実に体感できることになった。

 Chill(くつろぎ)モーメントでは、休息し、「今ここ」にとどまることができる。クルマは隠れ家になり、リラックスの場になるほか、集中的な作業のためにも利用できる。リヤ・シート(Cosy Corner)は座ることも横になることもでき、さらにバックライト付きのループが天井に緑の葉のイメージを投影し、調光も可能である。中央部では丸型計器が折り畳まれてディスプレイもスイッチも隠れ、自動車の中にいることを忘れさせる。

 Wanderlust(旅への憧れ)モーメントは、MINIビジョンアーバノートが走行(または自動運転)できる唯一のMINIモーメントである。ここでは室内空間は運転または同乗のための理想的な場所となり、旅のロマンを再発見することができるという。自分で運転したいときは、MINIロゴに指を触れるだけでステアリング・ホイールとペダルが現れる。中央の丸形計器が姿を変え、道路のアニメーションが表示されるほか、付近の名所や到着予想時刻などの情報を乗員全員が確認できる。

 Vibe(雰囲気)モーメントは、すべての側面で時間を共有することを強調する。側面のドアを開け、フロント・ウィンドウを跳ね上げることで開放的な雰囲気が作り出され、内と外との境界が消失する。中央の丸形計器はメディアの操作盤となり、再生される音楽に合わせてイコライザーで操作されるアニメーションがフロント、リヤ、フェンダーの平面やループに投影されてクラブ風の快適な雰囲気を作り出す。必要に応じてクルマを「ラジカセ」にすることもできる。さらに「マイモーメント」機能により第4のモーメントを自由に構成して、希望と必要性に適合する形を得られる。

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