車中泊は台湾でも大ブーム! 「ライトバン」販売絶好調が描く未来の市場とは
改造ライトバンが人気になった理由

車中泊キャンプのブームにより需要が伸びたのが、ポップアップルーフ式のバンだ。理由は
・台湾では車中泊愛好家の多くは都市に住んでおり、立体駐車場に止めやすいバンタイプのキャンピングカーの方がトレーラータイプより好まれるため
・台湾では子持ちの家族が車中泊を楽しむことが多く、ポップアップルーフがない一般的なバンでは狭すぎるため
のふたつだ、
市場調査会社のカンターによると、40代のキャンプ愛好家の
「62%」
が子どもと一緒に車中泊を行っている。ポップアップルーフ式のバンはルーフを閉じた状態では一般的なバンと外見が変わらず、キャンプ先でルーフを開けば、広々とした空間で車中泊を快適に楽しめる。
2022年には初の台湾生産のポップアップルーフ式バンが発売された。阡陽科技(CHIEN YONDテクノロジー)が中華汽車工業(チャイナ・モーター、CMC)の販売する商用バン「ベリカA180」を改造したもので、車内にはチェコのEGOE製ベッドやシンクなどのキャンプ設備が備え付けられている。
台湾は日本と異なり、個人が自動車の車体や座席の構造を改造することは法律で禁じられており、ポップアップルーフ式バンでキャンプを楽しむには、フォードの「T6.1カリフォルニア」のような高額の輸入車を購入するか、違法改造するしかなかった。
台湾では中華汽車が過去3年間、小型商用車の最大手として市場シェア平均50%以上を握っていたが、トヨタ自動車の台湾総代理店、和泰汽車が2022年に小型商用車「タウンエース」を発売してシェア約30%を獲得し、同年10月には台湾生産の商用バン「タウンエース・バン」も発表した。
タウンエース・バンは日本でも車中泊用に人気の車種で、台湾のキャンプ愛好家の間で話題になっている。台湾では今後もキャンピングカー市場が拡大しそうだ。