運送会社の「営業担当」はなぜ成長しないのか? 背後に古びた業界構造 新規案件つぶされ、雑用要員も――という絶望

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「せっかく仕事を取ってきても現場から断られてしまう」「営業担当のはずなのに、なぜか毎日トラックに乗っている」。こんな悩みを抱える運送会社の営業担当者は少なくない。なぜ、こんなことになるのだろうか。

営業担当者の価値、理解してもらうには?

名刺交換のイメージ(画像:写真AC)
名刺交換のイメージ(画像:写真AC)

 秋元運輸倉庫のエピソードに話を戻そう。

 悩んだ鈴木氏は、直球的な営業活動をいったん諦め、メールマガジン配信を行うこととした。配信先は、鈴木氏が名刺交換をした物流関係者である。フリーランスS氏がメルマガ執筆、配信、ウェブサイトでの記事公開まで一手に引き受けた。

 メルマガの発行は想像以上の効果があった。メルマガを読んだ人々から、現場責任者や、鈴木氏以外の役員らに対し、「メルマガ読んだよ!」という連絡が入り始めたのだ。

 もちろん、あいさつだけで終わるケースもあったが、新規案件の打診をしてくれるケースもあった。現場責任者らも、自分宛てに新規案件の相談を受ければ、むげにはできない。結果、ようやく新しい仕事が、少しずつではあるがドライブし始めたのだ。

 実は、本エピソードで登場するフリーランスS氏とは、筆者のことである。筆者は、鈴木氏の苦悩を横で目にし、そしてともに乗り越えてきた。現在、秋元運輸倉庫は営業子会社を2社設立し、有能な若手営業担当者も育っている。

 ただし、依然として現場の発言力の強さには悩んでいるし、雑用の多さゆえに営業活動に集中できないという悩みを抱えていることも知っている。同社に限らず、営業担当者の育成に苦労している運送会社・倉庫会社は少なくないが、大手はさておき、中小の物流企業において、純粋に営業活動だけにまい進できている営業担当者を、筆者は知らない。

「そこまで苦労するんだったら、運送会社に営業担当者なんていらないんじゃないの?」。もしそう思うのであれば、それは大間違いである。次回の記事で、運送会社・倉庫会社に営業担当者が必要な理由を考えよう。

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