中国偵察気球より「風船おじさん」を思い出せ! 平成初期・太平洋横断への飽くなき情熱、冷めた令和人こそ再注目だ

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1992年11月23日、冒険者を自称する鈴木嘉和氏が、滋賀県の琵琶湖畔からゴンドラを付けた風船で米国を目指して飛び立った。覚えているだろうか。

1992年4月、警察官を振り切り大空へ

現在の是政橋と河川敷(画像:(C)Google)
現在の是政橋と河川敷(画像:(C)Google)

 その鈴木氏が再びメディアに登場したのは、1992(平成4)年4月だった。4月17日、鈴木氏は自らが乗るゴンドラで大空へ高く飛び立ったのである。

 出発地点は東京都府中市の是政橋近くの河川敷だった。この日、鈴木氏は千葉県の九十九里浜まで飛ぶ計画で、午前9時前から直径5mの風船2個と2.5mの風船2個にヘリウムガスの注入を始めた。

 これを知った府中署では警察官を派遣し「方向も制御できないのでは危険」と説得した。にもかかわらず、13時過ぎに鈴木氏は制止を振り切って飛び立った。このとき、報道陣はヘリコプターも使い、準備中から墜落までの様子をカメラに収めている。

 ワイドショーでは、説得していた警察官たちが突然飛び立とうとする鈴木氏のロープにしがみついて

「降りてきてくださいよ!約束が違うじゃないですか!」

と叫び、ついに飛び立った後には、空を見上げてタバコを吸いながら「見ているしかしようがない」と嘆息する様子が、幾度も報じられた。

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