1月運行 阪神の夜間有料臨時列車「らくやんライナー」、成功のカギはどうみても「座席」なワケ

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阪神電気鉄道は2023年1月、夜間有料臨時列車「らくやんライナー」を大阪梅田~青木間の下り列車のみ2本運転する。

オールロングシート車も対象に

9300系は47年ぶりのクロスシート車として2001年に登場(画像:岸田法眼)
9300系は47年ぶりのクロスシート車として2001年に登場(画像:岸田法眼)

 ウェブメディア『乗りものニュース』(メディア・ヴァーグ)によると、車両は9300系、8000系前期車の充当を予定しているという。さらに運用の都合でオールロングシート車を充てる可能性も示唆している。

 9300系は2001(平成13)年に登場したフラッグシップ車両で、先頭車(1・6号車)はロングシート、中間車(2~5号車)は転換クロスシートのセミクロスシートで組成。大阪梅田~山陽姫路間の直通特急に起用されることが多い。しかし、わずか3編成18両しか在籍していない。

 一方、8000系は1985(昭和60)年に登場。当初はオールロングシートで、急行車の主力車両に成長した。2002年から20年以上の継続使用を想定したリニューアル車が登場し、最初の2編成は中間車をセミクロスシートに改造した。その後、セミクロスシートは3・4号車に縮小され、後年はとりやめとなってしまい、2015年で完了した。

 らくやんライナー運転時、9300系だと乗客は中間車の転換クロスシートに余裕を持って着席できるだろう。一方、8000系はセミクロスシート車が何両連結されているのか、入線するまでわからない。仮に2両だと争奪戦になり、別の意味で“駆け込み乗車”になりそうだ。

 ロングシートの有料座席は、先述の京阪ライナーのほか、首都圏の私鉄を中心に、デュアルシート装備の簡易優等車両(一般列車はロングシート、有料列車はクロスシートに設定)を使用した座席指定制列車がある。いずれも背もたれが高いほか、クロスシートよりもくつろぎやすいらしく、わざわざそこを選択する乗客もいるほど。

 いずれもクロスシート&ロングシートのセミクロスシートで、阪神のようにオールロングシート車の有料座席化は、極めて異例。1両30席にすることで、乗客ひとりにつきふたり分のスペースを確保できる可能性があり、くつろぎやすいようにしているのではないだろうか。

 とはいえ、野田では必然的にロングシートに着席せざるを得ないので、乗客の反応が注目されよう。

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