やっぱり、空港アクセス鉄道は「ロングシート車両」一択であるワケ

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一般列車は空港アクセス鉄道に特化した車両が少なく、既存のロングシート車両で対応していることが多いが、実は“普段の列車”こそが渡航客のウケがよいのだ。

空港直結駅が誕生して58年

空港アクセス鉄道の老舗、東京モノレール(画像:岸田法眼)
空港アクセス鉄道の老舗、東京モノレール(画像:岸田法眼)

 1964(昭和39)年9月17日、東京モノレールのモノレール浜松町~羽田(当時)間が開業し、日本の鉄道が初めて空港に乗り入れた。当時の東京国際空港は“世界の玄関口”で、東京オリンピック1964大会開催時には1日5万5000人が利用した。

 その後、1978年5月21日に京成電鉄の旧成田空港(現・東成田)駅、1980年10月1日に国鉄の千歳空港(現・JR北海道南千歳)駅が相次いで開業し、2022年10月現在、「空港」の名がつく駅は全国に18駅を構える。

 ちなみに、JR西日本宇部線の草江駅は徒歩約10分で山口宇部空港に着くことから、“実質空港駅”といえる。

金看板より「普段の列車」

成田国際空港へは京成電鉄本線経由を利用する渡航客が多い(画像:岸田法眼)
成田国際空港へは京成電鉄本線経由を利用する渡航客が多い(画像:岸田法眼)

 空港アクセス鉄道の金看板をあげると、

●成田国際空港アクセス
・京成電鉄「スカイライナー」
・JR東日本の特急「成田エクスプレス」

●中部国際空港アクセス
・名古屋鉄道「ミュースカイ」

●関西国際空港アクセス
・JR西日本の関空特急「はるか」
・南海電気鉄道の空港特急「ラピートα」「ラピートβ」

がある。いずれも有料列車で、リクライニングシート、大型荷物置き場を設置。特にスカイライナーと特急成田エクスプレスは、全席コンセントを完備している。

 一方、一般列車は空港アクセス鉄道に特化した車両が少なく、既存のロングシート車両(通勤形電車)で対応していることが多い。だが、実は“普段の列車”こそが渡航客のウケがよい。

 まず、乗車券のみで乗車できること。航空機は搭乗手続きや手荷物検査を受けてから乗るので、時間にかなりの余裕をもって来港しており、有料列車で急ぐ人はそれほど多くない。また、上記有料列車のうち、関空特急はるかを除き全車指定席なので、確実に乗車できる安心感がある。

 もっとも重要なのは、自分の荷物を肌身離さず守れることだ。ロングシート車両は通路幅が広いほか、大型のキャリーバッグやスーツケースは荷棚に載せられないこともある。日中の列車は通勤通学客が少ないこともあり、大型荷物を気兼ねなく通路に置ける。

 有料列車は先述したとおり、大型荷物置き場が設置されているものの、置けるのは早い者勝ちで、定員分を確保すると座席定員が減ってしまう。また、一時自分の目から離れることで、取り違いや盗難の恐れもある。

 セキュリティー向上の一環として、特急成田エクスプレスは暗証番号つきワイヤロックを設けたが、中に入っているものをとられる恐れがある。スカイライナーはデッキも含め防犯カメラがあるとはいえ、犯罪を未然に防げる保証もない。結局は自身で荷物を管理したほうが安心なのだ。