広島市の借金は1兆円以上! 路線バス「上下分離」で大注目も 財政は指定都市最低レベル、乗ったのはバスか、それとも“火の車”か
広島市が市内を走る路線バス維持に向け、上下分離方式を導入する方針を固めた。路線バスを社会インフラととらえた全国初の取り組みで、近く国に新たな財政支援を求める方針だ。
苦境打開へ路線バスの「広島モデル」

こうした苦境を打開するために出てきたのが、上下分離方式の導入だ。上下分離方式は「上」に当たる運行と、「下」に当たる車両や施設の管理などインフラ部分を切り離して運営する仕組み。「上」は従来通り事業者が担当し、「下」を地方自治体が受け持つ。
国内では、青森県の青い森鉄道、鳥取県の若桜鉄道など主にローカル鉄道に導入されているが、欧州では鉄道経営の一般的な形になっている。公共交通を社会インフラと位置づけ、行政の力で維持しようとする考えが背景にある。
広島市は、4月からバス事業者や広島県バス協会と鉄道の上下分離方式を参考にして経営支援のあり方を模索してきた。現在も模索は続いているが、大筋の形は浮上している。広島市とバス事業者が共同出資で「下」を受け持つ新組織を設立し、「上」の運行を従来通り、バス事業者が担う形だ。
新組織が進めるのは、車両の購入やバス停留所、車庫の整備など。広島市はこの基盤整備や維持管理に支出し、バス事業者の負担を軽減する。さらに、バス事業者の運行や保有車両への補助を検討しているほか、利用者の利便性を高める方向で新組織が共同運行や路線再編計画の立案を進める。広島市はこの方式を路線バスの「広島モデル」と呼んでいる。
ただ、市単独の支援では限界があると見て、国に新たな財政支援を求める方針だ。国の支援が得られることになれば、2023年度には詳細設計に着手し、早ければ2024年度から段階的にスタートさせたい意向。広島市都市交通部は
「公共交通維持に向けた広島市の思いをぶつけ、国の支援を確保したい」
と意気込む。