「SL = オワコン」で本当にいいのか? 「人吉」は24年消滅、ロマンと現実で揺らぐ鉄道遺産死守という大義名分

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「SL人吉」58654号機の運行が2024年3月、終了する。SL復活運転は困難を抱え、運行終了が相次いでいる。未来はあるのか。

このままでは厳しいはSL復活運転

大井川鐵道(画像:写真AC)
大井川鐵道(画像:写真AC)

 SL復活運転の今後は、どうなるのだろうか。新しくSLが製造されることはまずないため、車両の供給は徐々に先細りになっていく。製造、あるいは復活から年月がたつと老朽化が激しく、維持していくのが難しくなる。どんな機械にも寿命があり、それをすぎて動かそうとすると不具合が発生しやすい。

 SLの整備維持管理のための人員も必要だ、機関士などの乗務員だけではなく、メンテナンス担当のスタッフも鉄道会社で育てていかなくてはいけない。その厳しさをJR九州の58654号機は示した。

 JR西日本のSLやまぐち号は苦しんでいる。大井川鐵道は予算3億円のうち、1億円をクラウドファンディングで集めようとしていた。

 近年、SLの運行を開始した東武鉄道は、そのために莫大(ばくだい)なお金をかけている。鉄道の産業技術と鉄道文化の維持のため、SLの復活運転は必要だ。しかし、機械の限界によりいずれ困難になるという可能性は、JR九州の事例から否定できないのだ。

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