コロナ入国緩和が再び「観光公害」を生む? 変わらぬリスク認識の甘さ、政府は同じ失敗を繰り返すのか

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政府は外国人入国者に対する水際対策を大幅に緩和したが、数字ありきではなく、まずはコロナ禍以前からの課題を解消すべきではないのか。

政府・政治家は骨太方針打ち出せ

インバウンド(画像:写真AC)
インバウンド(画像:写真AC)

 観光産業がリスクをともなうことは、コロナ禍となった2020年以降を振り返ればたやすく理解できるだろう。そのほか今回の新型コロナほどではないが、2005(平成17)年の鳥インフルエンザの東南アジアでの感染拡大、2014年の西アフリカでのエボラ出血熱流行などの際も、観光産業へのダメージが発生した。2001年の9.11アメリカ同時多発テロでは、その直後から世界的に旅行者が減少している。

 また、日本にとって中国の政策が問題をより複雑にしている。中国は日本が水際対策を緩和した後(2022年11月現在)も「ゼロコロナ政策」をとり、一部のビジネス客を除いて日本への渡航が不可能になっている。

 日本への中国人旅行者は、2019年には959万人、同消費額は1兆7704億円にものぼっていた。これは訪日外国人全体の消費額の

「37%」

を占める額である。いくら円安状況といっても、中国人旅行者抜きで岸田総理のいう5兆円超を達成するのは当面困難である。中国人旅行者の今後の動向に関して、パターン分析抜きにして目標を掲げても、「絵に描いた餅」に近い。

 今なされるべきは、今後もリスクがあることを認識した上での骨太の方針である。そのもとでの「2」の観光公害対策、および「3」の訪日客誘致の具体的政策パッケージの立案と実行である。

 例えば、自然災害には通常の損害保険とは性格をやや異ならせた地震保険といったものがある。旅行産業に関わるもの、またはそれに投資するものに対して、大規模感染症の流行時への

「感染症緊急事態保険」

のようなものを、政府肝いりで構築する。安心して国策とするインバウンド関連の事業を行えるようにするためである。

 または、感染症に対するリスクヘッジとなる産業の育成発展も、観光立国政策とセットで行うことも検討に値するはずだ。難しいことを重々承知でいえば、医薬品開発や同産業を国の成長戦略の柱とすることである。もちろん輸出競争力のある形としてである。

 誤解のないように申し添えると、これらをそのまま提案しているのではなく、このくらいの骨太の方針を、政府および政治家は、政治生命をかける程の覚悟で行う必要があるということを強調しておきたい。

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