コロナ入国緩和が再び「観光公害」を生む? 変わらぬリスク認識の甘さ、政府は同じ失敗を繰り返すのか

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政府は外国人入国者に対する水際対策を大幅に緩和したが、数字ありきではなく、まずはコロナ禍以前からの課題を解消すべきではないのか。

観光立国政策における三つの課題

インバウンドで混雑する京都(画像:写真AC)
インバウンドで混雑する京都(画像:写真AC)

 観光公害の例を挙げれば、京都や鎌倉といった有名観光地などで、交通渋滞の発生や違法駐車、ゴミの放置、夜の騒音、住民のプライバシー侵害など、地域で暮らす人がさまざまな被害を受けた。

 病院へ通うのに利用していた路線バスが常に満員で、乗れなくなったという年配者の事例も起きた。地価や家賃が上がってしまい、従来の住民が住みづらくなった例も発生している。

 観光立国政策の課題を列挙してみよう。

1.観光産業は典型的な平和産業であり、戦争、テロ、感染症拡大、国と国との対立、経済恐慌、大地震などで壊滅的打撃を長期にわたり受けるリスクを内包している。そのための対策が不完全
2.観光公害を引き起こさない対策が不完全
3.政策の中身(観光庁が提示する「インバウンドの本格的回復に向けた政策パッケージ」など)が適切か否か

今回は「1」を中心に述べてみるが、観光立国政策をとる背景を確認しておこう。

 石油、天然ガスなど資源が乏しい日本では、戦後いわゆる「ものづくり」産業が経済をけん引してきた。だが1990年代前半にバブルが崩壊するなどして、ものづくりは海外との競走に敗れることが目立ち、経済が低迷する。少子高齢化や人口減も加速し、特に地方での経済衰退が顕著となった。

 そこに救世主のように現れたのが、特に2012年頃から始まったインバウンドの活況である。観光は、関わる産業のすそ野が広く多岐にわたる。しかも全国津々浦々に誘致できる可能性があり地方活性化につながる可能性が高い。政府の成長戦略の柱にはうってつけのように見える。

 2012年3月、政府は観光立国推進基本計画を閣議決定し、2016年までに訪日外国人旅行者1800万人、同消費額3兆円にする目標を掲げた。2016年には目標を見直し、現在でも「2030年に訪日外国人旅行者6000万人、同消費額15兆円にする」が踏襲されている。

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