JR東・西武鉄道が技術分野で連携強化 鉄道ライターの私が今後を期待してやまない3つの理由
鉄道技術分野での協力強化への期待

今回の鉄道技術分野での協力強化には、さまざまな期待が持てる。
ひとつ目は乗客にとって使いやすく、親しみやすい車両の開発だ。西武鉄道は30000系スマイルトレイン以降、“乗客目線”を大切にしており、先述した通り、鉄道以外の業界でも評価が高い。JR東日本は2010年以降、新幹線電車、特急形電車、山手線E235系、E001形TRAIN SUITE 四季島のデザインをKEN OKUYAMA DESIGNに依頼している。将来は乗客目線とデザインを融合した新型車両が現れるのではないだろうか。
ふたつ目は、お互いの技術を採り入れることだ。JR東日本は先述したスマートホームドア、ATACSの導入に加え、PC枕木(PCはプレストレストコンクリートの略)の大型化も進めており、メンテナンスの負担を軽減している。
西武鉄道は東京大学生産技術研究所が取り組む「どこでも柵」のフィールド試験を2013年8月31日から2014年2月末まで実施した。同じホームで20m車体の3ドア車と4ドア車、18m車体の3ドア車など、あらゆる車両に対応できるのが特徴だ。今のところ実用化には至っていないが、研究を加速し、量産体制が整えば、JR東日本で特急と一般列車が通る路線(東海道本線、中央本線、常磐線など)にも導入ができる。
三つ目は、西武鉄道が構想しているサステナ車両の導入だ。これは「無塗装車体、VVVFインバーター制御等の他社から譲り受け車両」を表す。無塗装車体はアルミもしくはステンレスで、いずれも軽量化や耐久性に優れている。なおかつ、現代省エネ車両のVVVFインバーター制御は、消費電力の削減に貢献している。
大手の鉄道車両は新製から20~30年で廃車というケースが多く、近年は東京メトロ03系の一部が中小私鉄の熊本電気鉄道、長野電鉄、北陸鉄道浅野川線に移籍した。大手から大手に移籍するケースは、JR四国キハ185系やJR東日本415系などの例がある(いずれの車両もJR九州に移籍)。
西武鉄道としてはサステナ車両を導入することで、新製コストを抑える、既存車両の短編成化改造による他路線の転用をなくすねらいがあるのではないか。JR東日本は毎年首都圏向け車両の更新が進められていることから、将来は209系、E217系、E231系などが整備の上、サステナ車両として西武鉄道に移籍する可能性を秘めているのだ。