山陰新幹線は本当にメリットあるのか? 超推進派「石破茂」の発言に見る矛盾点とローカル線の行方
「赤字路線維持派」としての石破氏
石破茂衆議院議員は、かつて「ポスト安倍」の一番手として総理の座を伺っていたが自民党内の不人気ぶりが爆発し、自ら率いてきた派閥は瓦解(がかい)した。もはや何のために政治家をしているのかわかりにくくなってきたが、日本の「鉄道開通150年」が転機となり、「赤字路線維持派」議員としての活躍が目立つようになった。
自身のブログでも
「地方のローカル鉄道の今後の在り方について、国交省の検討会が7月に提言を取りまとめたこともあって、各地で議論を呼んでいます。「鉄オタ」と見られていることもあって(実際は単なる「乗り鉄・呑み鉄」なのですが)、最近講演やテレビ出演の際にこのテーマでの話を求められる機会が増えています」
と振り返っている。
東洋経済編集部によれば、「本誌に語った(石破氏の)「鉄道論」は実に示唆に富んでいる」(2018年2月5日 週刊東洋経済・臨時増刊)ということだが、本当に嫌な予感しかしない。石破氏の発言を振り返ってみたい。
2022年8月21日に東京都内で開かれた鉄道模型のイベントで、石破氏は、存続が危ぶまれる地方路線に関し「赤字だからやめちゃえと言うのは無責任」と発言をしている。
「「どうやって乗りたくなる鉄道、行きたくなる街をつくるか。国、鉄道会社が何とかしろ、だけではできない」と述べ、国民的な議論が必要と力を込めた」(日本海新聞8月22日付け)
という。
2021年の総裁選では、立候補した河野太郎氏のもとへ鉄道模型を持ち込んで応援にかけつけ、
「脱炭素、省エネが進む中で、鉄道を使って新しい日本を」
「鉄道の方が輸送に向いているとして、ヨーロッパでも飛行機から鉄道に変わっている。(地方路線が)赤字だからやめちゃえっていうのは議論としておかしい」(ともに日刊スポーツ2021年9月20日付け)
と訴えた。
石破氏のいう「赤字だからやめちゃえばおかしい」という立場に立つと、税金の投入が必要となってくるのは明白だ。税金投入といいにくいので、
「国民的な議論(=税金)が必要だ」
という言い方で逃げているのだ。以上が、石破氏の主張の中核のひとつである。