排ガス車はもう古い? 走るほど空気をきれいにするトヨタ「ミライ」の未来思考
クリーンなドライブスタイルが好評

走りながらの空気清浄を可能としているのは、車体に搭載されているエアクリーナーエレメント(ダストフィルター)とケミカルフィルターのおかげだ。
まず、特殊な加工を施したエアクリーナーエレメントが細かい粒子を捕捉。そしてケミカルフィルターで有害な化学物質を除去するとともに粒子状物質(PM)2.5の発生を抑制している。まさに走れば走るほど大気を浄化する「究極のエコカー」といえるだろう。
実際、SNSでのミライの評価は
「トラックとかが吐き出してる排ガスをみると、地球温暖化のことが頭によぎったりするんだよね。けど今後ミライみたいな車が増えればそんな心配もなくなるのかも!」
「走る空気清浄機って感じで素晴らしいと思います。これはかなり革新的なんじゃない?」
「トヨタが大気汚染問題に対して真剣に取り組んでいるのがよくわかるモデルだね」
など、称賛の声が相次いでいる。
そのほかにも、トヨタ公式サイトでは実際にミライのオーナーとなったユーザーに対してインタビューを実施。空気清浄機能がついている点について、
「最初は全然気にしていなかったんです。でも、車内のディスプレーには空気清浄メーターがあるので、それこそ走れば走るほど空気をきれいにしている感覚は、自然と芽生えてきますよね」
と、環境への意識が高まったことが語られている。
もちろん、一部のユーザーがミライに乗車することで改善される地球環境は微々たるものなのかもしれない。しかし、世界中のドライバーの意識がマイナスエミッション思考へと移行することで、環境問題に大きな影響を与える可能性も決してゼロではないだろう。
マイナスエミッションは新常識になるか

車の常識さえも変えてしまうほど革新的なシステムを搭載した、トヨタのミライ。今後同タイプのマイナスエミッション車が増えることは、間違いなく地球環境改善の大きな助けになるといえる。では、将来的に全ての車種に空気清浄機能を搭載することは可能なのか。
結論からいうと、直ちに全ての車種が搭載することは難しい。なぜなら、ミライが空気清浄機能を搭載できたのは発電時に空気を取り込むタイプのFCV車だったからだ。そもそもFCVタイプの車は燃料電池に取り込んだ酸素と水素を電力に変えて走っている。つまり仕様上、走行中に空気を取り込む必要があるのだ。
対して、ガソリン車は走行中に空気を取り込む必要がないため、空気清浄機能を搭載するとしたら完全に別機能として取り込みざるを得ない。その上、排ガスを排出すること自体は変わらないので、結果的にマイナスエミッションを実現できているかは怪しいところだ。
全ての車がマイナスエミッションタイプに移行するためには、ガソリン車の廃止や水素ステーションの増設など、多くの課題が立ちはだかる。企業努力だけではなく国の政策としての行動も求められることだろう。