デザインの似た鉄道車両、なぜ増えた? コスト削減の背後にある「規格化」というデカい潮流
近年、さまざまな鉄道会社で「似ているが少しずつ違う車両」が増えている。いったいなぜか。
雰囲気の似た車両が増加
近年、さまざまな鉄道会社で「似ているが少しずつ違う車両」が増えている。
JR東日本と東急電鉄の車両の雰囲気は非常に近い。都営地下鉄や京王電鉄にも似た感じの車両がある。静岡鉄道にも違うようで似ている車両があるのでは――と人によっては気づくかもしれない。
国鉄時代には、全国で同じ形式の車両が走っていた。都市部なら103系、近郊型なら115系、交直流の電車特急なら485系と、だいたい決まっていた。一方、私鉄は鉄道会社ごとに独自の車両を走らせていた。
鉄道を愛する人たちは、国鉄型車両の同形式の地域ごとの違いについて観察したり、私鉄車両の譲渡先での改造内容について論評したりしていた。ちょっとした違いがまるで大きな論題であるかのように、バリエーションの細かさについての議論が盛んになされていた。
昔のことを扱うことが好きな雑誌『鉄道ピクトリアル』は、過去の国鉄型車両のバリエーションをいまでもていねいに紹介している。