毀誉褒貶の激しい「BRT」 結局、メリットはあるのか? 全国28か所で導入、9月の国交省「ガイドライン」から考える

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国交省から9月に発表された「BRTガイドライン」。その内容を読み解く。

「BRT等の導入に関するガイドライン」とは

東京BRT(画像:写真AC)
東京BRT(画像:写真AC)

 2022年9月7日、国土交通省により「地域公共交通(BRT)等の導入に関するガイドライン」(BRTガイドライン)の策定が発表された。BRTは、Bus Rapid Transitの頭文字をとった略称であり、「バス高速輸送システム」と呼ばれている。

 BRTガイドラインは、

「地方自治体(土木部局、まちづくり担当部局、交通政策担当部局等)や各関係機関がBRT導入の意義を理解し、導入を検討・実施する際に参考となるよう、既存の導入事例をもとに、知見・ノウハウ、留意点を取りまとめたものである」

とのことだ。

 さらにガイドラインによると、BRTはカーボンニュートラルの促進に加え、人口が減少している地域において持続可能な地域公共交通の実現に向けて、導入の検討を行う必要があるとしている。

 BRTは、最大輸送力、および駅や停留所での停車時分を含めて計算した表定速度において、鉄道と路線バスの中間に位置づけられている。また、鉄道と比較して、ルート設定の自由度が高く、人口の分散に合わせた面での対応が可能とある。

4グループに分類されるBRT

各公共交通機関の特徴(画像:国土交通省)
各公共交通機関の特徴(画像:国土交通省)

 BRTガイドラインによると、BRTには、速達性・定時性・輸送力・利便性の、四つの性能が求められている。個々の性能の概要は次のとおりだ。

・速達性:バス専用道や専用レーン、公共車両優先システム(PTPS)による信号制御、あるいは運賃収受方法の工夫などによる路線バスより早いサービス。
・定時性:一元的な運行管理システムによる所要時間管理や、所要時間や接続などの情報案内システムを工夫して信頼性の高い移動を確保したサービス。
・輸送力:連接バスや高頻度運行により大量輸送を実現した、効率的でストレスフリーな輸送サービス。
・利便性:他の交通モードとの接続性を強化し、高度な速達性、定時性、および輸送力を生かして利便性を向上したサービス。

 また、BRTは上記の性能を組み合わせて四つのグループに分類されている。

・第1グループ:バス専用軌道や専用レーンなどにより、高い速達性・輸送力を有するBRT。
・第2グループ:一般道を使用するものの連接バスや高頻度輸送により、高い輸送力を有するBRT。
・第3グループ:快速運行の実施や鉄道の廃線敷の利用により、高い速達性を有するBRT。
・第4グループ:観光需要等特定の目的に対応したBRT。

 BRTと聞くと、近年では利用者数が減少した地方鉄道の代替交通手段のイメージが強いが、都市部における速達性や輸送力確保の手段として導入されている割合が多いことがわかる。