毀誉褒貶の激しい「BRT」 結局、メリットはあるのか? 全国28か所で導入、9月の国交省「ガイドライン」から考える
BRTの導入効果と評価は

おしまいに、岐阜市の「清流ライナー」と「気仙沼線・大船渡線BRT」の、導入効果と評価を見てみよう。
岐阜市の清流ライナーは、岐阜市の「バスを中心とした公共交通ネットワークの構築」への交通政策の転換により生まれたBRTである。路面電車の廃止と市営バスの民間譲渡に併せて、鉄道駅と乗継拠点間の幹線をBRT化した。BRT分類では、グループ1に該当する。
導入効果は、次のとおりである。
・岐阜大学・病院線都線全体で平日1日の利用者数が30%増加(平成22年6月と平成24年6月の比較)。
・バス優先レーン、PTPS導入により、定時性・速達性が向上。
・連接バス導入により、朝の通勤ラッシュ時のバス待ち時間が短縮。
気仙沼線・大船渡線BRTは、東日本大震災で被災した気仙沼線、大船渡線の復旧に相当の時間と費用が必要となることから、「BRTにより仮復旧」が提案されて、整備された路線である。BRT分類では、グループ3に該当する。BRT化による効果は以下のとおり。
・気仙沼線BRT(柳津~気仙沼):駅数18 → 25駅、所要時間90分 → 106分、運行本数22本 → 65本
・大船渡線BRT(気仙沼~盛):駅数11 → 27駅、所要時間65分 → 77分、運行本数19本 → 53本
BRT化により、いずれの路線も所要時間が15分程度伸びているが、駅数や運行本数がはるかに増えたことで利便性が向上している。実際、2015年下期にJR東日本が行った利用者へのアンケート調査では、運賃をはじめ、運行本数や安定性・快適性など全ての指標において、
「8割以上」
が満足、あるいは不都合はないと回答している。
BRTは、クローズされた地域の交通需要を支える比較的低コストの公共交通手段として、一定の効果があると見てよい。今後は、このBRTガイドラインを踏まえながら、必要とされる地域において、その特性を生かしながら推進が図られるものと思われる。