西鉄・天神大牟田線「雑餉隈~下大利間」はなぜ高架化されたのか? 進む駅周辺複合開発、さらなる高架は高いハードルも
西鉄天神大牟田線雑餉隈付近~下大利間はなぜ、高架化に至ったのか。
雑餉隈駅付近以北の高架化が困難なワケ

他駅に関しても「高架下空間を各市と協議しながら開発する」(西鉄担当者)方針があり、大野城市では複合型交流施設や民間施設、駐輪場や広場の整備を検討中。春日市では春日原交番移転や駐輪場の整備を検討中だ。
今後も高架下に旧春日原駅舎でみられた食品スーパーや旧下大利駅舎でみられた飲食店、自治体関係者も期待するイベントスペースや駐輪場が広がっていくものとみられる。
一方、雑餉隈駅付近以北(井尻駅周辺)の高架化は「連続立体交差事業は数百億かかる事業で、事業費をかけていくにあたり市のお金だけでは難しい」「近年事故がない、周辺に幹線道路ができ、渋滞もさほどないため、費用対効果で事業化が難しい」(自治体担当者)といった理由から困難となっている。
都府楼前駅周辺に関しても、太宰府市が踏切道改良促進法に基づく「改良すべき踏切道」である下大利12号踏切・下大利14号踏切のうち、下大利12号踏切を単独立体交差化(アンダーパス化)、下大利14号踏切を踏切改良する方針を示しているが、踏切周辺の食品スーパーやアパートの用地買収が必要であるため事業化に至っていない。
井尻駅周辺・都府楼前駅周辺には、九州新幹線(博多~博多南間)や九州自動車道、国道3号線(福岡南バイパス)といった既存高架もあり、雑餉隈付近~下大利間に次ぐ、さらなる高架化のハードルは高そうだ。