西鉄・天神大牟田線「雑餉隈~下大利間」はなぜ高架化されたのか? 進む駅周辺複合開発、さらなる高架は高いハードルも
西鉄天神大牟田線雑餉隈付近~下大利間はなぜ、高架化に至ったのか。
福岡都市圏に不可欠な“大動脈”

西鉄天神大牟田線の総路線距離74.8km。大手私鉄のなかでは唯一、東名阪三大都市圏以外に本社を置く西鉄の本線として、九州有数の繁華街である福岡市と三井三池炭鉱で栄華を極めた大牟田市を結んでおり、福岡都市圏の大動脈として通勤・通学に欠かせない役割を担っている。
その一方、朝夕ラッシュ時間帯では鉄道の高頻度運行により、踏切が1時間のうち40分以上遮断となる「開かずの踏切」状態にあり、福岡県区間の春日原2号踏切(大野城市曙町)では1時間のうち42.7分遮断となっていた(自治体担当者。2018年度朝ラッシュ時間帯)。
福岡都市圏の中核を担う福岡市は、2020年10月1日の第21回国勢調査で政令指定都市人口増加数・人口増加率首位を記録、2022年9月1日には人口163万人に達するなど、以前より人口増加が顕著となっている。人口増加は福岡市に隣接する春日市や大野城市でも同様であり、踏切遮断は深刻化しつつある交通渋滞や踏切事故の発生のみならず、市街地東西間の一体開発や人物往来の物理的・心理的障壁としても作用するなど、自治体にとって踏切廃止は喫緊の課題だった。
こうした背景もあり、各自治体は2003年度より連続立体交差事業を施行。連続立体交差事業にあわせて、高架化対象区間沿線自治体では駅前広場整備や道路拡幅、跨線橋の除却工事を始めとする整備事業を施行している。