旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン」 4年ぶりの東京開催も海外出展少なめ、現場から漏れる「開催1~2か月先だったら」の声

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9月22日から25日まで開催された日本最大の旅行イベント「ツーリズムEXPOジャパン2022」。以前と比べて、どう違っていた?

海外は入国緩和の韓国と台湾に活気

カタール航空のブースでサッカー体験(画像:シカマアキ)
カタール航空のブースでサッカー体験(画像:シカマアキ)

 一方、JALのブースは今回唯一ともいえる座席の体験展示があったほか、非売品のステッカーを配布し、航空連合「ワンワールド」の紹介展示も。ターキッシュエアラインズは、ウクライナ情勢の影響で逆に需要が増えたのもあり、現在は「日本から最も欧州に近いエアライン」としてアピール。カタール航空は今年開催されるサッカーワールドカップのスポンサーとして、大掛かりなサッカー体験コーナーを設置して目を引いた。

 2022年10月まで入国ビザ免除中の韓国では、格安航空会社(LCC)のチェジュ航空と、フラッグキャリアの大韓航空も出展。チェジュ航空は毎回出展して体験型イベントを実施して配布グッズも豊富で、今回も人気を集めていた。

 ほかにも韓国観光公社、釜山観光公社、仁川国際空港公社などが出展。日本から最も近い韓国はK-POP、韓流ドラマなどは根強い人気を誇り、「2年ぶりの韓国旅行」という冊子なども配布していた。

 韓国同様に活気があったのが、台湾関連のブース。大手航空会社のチャイナエアラインとエバー航空、LCCのタイガーエア台湾に加え、新興航空会社のスターラックス航空も出展した。特に、会期中に台湾への入国緩和が発表されたのもあり、各ブースで来場者にPR、旅行会社と熱心に商談する様子もよく見られた。

 国内のLCCで今回、唯一出展していたジェットスター・ジャパンは、ダーツを就航地に投げるゲームで存在感があった。そのほか、観光局や大使館などのブース内にてエチオピア航空、エア・タヒチ・ヌイ、ガルーダ・インドネシア航空、フィリピン航空、セブパシフィック航空、スカイマークなども見かけた。

「新たな旅スタイル」訴求の社増加

台湾の新興航空会社「スターラックス」は日本に続々就航中(画像:シカマアキ)
台湾の新興航空会社「スターラックス」は日本に続々就航中(画像:シカマアキ)

 コロナ前に出て今回出展していなかった航空会社は、

・シンガポール航空(シンガポール)
・スクート(同)
・タイ国際航空(タイ)
・アメリカン航空(アメリカ)
・デルタ航空(同)

などや、韓国系LCC、中国やロシアの航空会社など。中国はいまだ厳しい入国規制を敷き、ロシアはウクライナとの戦争状態のため、両国とも旅行が事実上不可能な状況である。国内LCCのピーチ・アビエーションやスプリングジャパン、ジップエアトーキョーも未出展だった。

 シンガポール航空やスクートは、コロナ前までは存在感あるブースを出展していた。今回はシンガポール関連のブースもなく、日本以外ですでに需要好調で

「日本市場向けに今はアピールする時期ではない」

と判断したのだろう。韓国系LCCはチェジュ航空以外で日本発着便がまだ少ないのもあり、今回は様子見した可能性も。

 空港では、東京国際空港(羽田空港)はあったものの、毎回ブース出展していた成田国際空港(成田空港)がなく、存在感あっただけに残念だった。毎回大きなブースで出展していた中国ブースが今回とても小規模だったのも寂しかった。

 また、ブースの展示スタイルにも変化が見られた。コロナ前に年々増えていた「VR体験」が全ブースを通じ、今回軒並み減少。コロナ禍での接触にあたるのが理由か、VRブームが廃れたのか。実際に触って体験というスタイルがコロナ禍ではまだ厳しいという判断だったのだろう。

 一方、

・ワーケーション
・農活
・SDGs
・スポーツツーリズム
・酒蔵ツーリズム

といった、コロナ禍で注目された新たな旅のテーマも増加。紙に代わってスマートフォンを使ってアンケート回答を求めるブースも増えた。

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