京葉工業地域を支える「第二東京湾岸道路」計画! 長年の争点は環境問題、もはや経済成長だけを考える時代ではない
構想段階にある「第二東京湾岸道路」。同道路は千葉県市原市から東京都大田区までを結ぶ予定だが、環境運動の大きな反発を受けている。
「第二東京湾岸道路」とは何か

「東京湾岸道路」をご存じだろうか。千葉県富津市から神奈川県横須賀市までを東京湾に沿って結んでいる道路であり、専用部(有料道路部分)と一般部(一般道路部分)で構成されている。
専用部には、東関東自動車道・首都高速湾岸線・横浜横須賀道路が、一般部には、国道16号・357号(一部区間は国道14号と重複)が指定されている。千葉県内に限ると、「東京ディズニーリゾート」「幕張メッセ」「千葉ポートタワー」といったランドマークが東京湾岸道路近傍にあるため、一度は利用したことがある人も多いことだろう。
ところで、名称が似ている「第二東京湾岸道路」はご存じだろうか。千葉県市原市から東京湾沿いを通って東京都大田区までを結ぶ道路であり、東京湾岸道路よりも海側を通る予定となっている。東京湾岸道路と並行し、東京湾岸道路よりも新しい道路となるため「第二」という名称がつけられているわけだ。
こちらは、東京湾岸道路と比べて認知度がグッと落ちることだろう。なぜなら、この道路はまだ存在しておらず、構想段階にあるからだ。一部区間での用地確保や現道との重複利用の構想がある箇所も存在するが、現時点では表立って第二東京湾岸道路という名称は使用されていない。
東京湾岸道路のさらに海側というと、基本的に工業団地が立ち並ぶ上に海上区間も多いため、用地確保が難しそうな印象を受ける。通常であれば無理をしてそのような場所に道路を建設する必要は無いと思えるが、実は無理をしなければならない切実な事情がある。それが、東京湾岸道路が抱える深刻な渋滞事情だ。