京葉工業地域を支える「第二東京湾岸道路」計画! 長年の争点は環境問題、もはや経済成長だけを考える時代ではない

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構想段階にある「第二東京湾岸道路」。同道路は千葉県市原市から東京都大田区までを結ぶ予定だが、環境運動の大きな反発を受けている。

争点は三番瀬 立ちふさがる環境問題

三番瀬(画像:船橋市)
三番瀬(画像:船橋市)

 第二東京湾岸道路がそれほどまでに重要な路線ならば、早々に建設に着手すればいいのではないかという意見もあるだろう。確かに、前述の通り用地確保の難しさがあるものの、現代の技術的には決して不可能というわけではない。ところが、そのようにできない事情がある。それが、三番瀬(さんばんぜ)の存在だ。

 三番瀬とは、浦安・市川・船橋・習志野各市の埋め立て地によって囲まれ、東京湾奥部に残された数少ない天然の干潟および浅瀬である。魚類や鳥類の貴重な生息地として認識され、環境省から「日本の重要湿地500」に選定されるほど重要な場所なのだ。

 実は、当初の計画では、第二東京湾岸道路はこの三番瀬に新たに建設が計画されていた埋め立て地を橋梁で連絡して通過する予定だった。だが、前述の通り三番瀬は貴重かつ重要な自然環境エリアであり、そうした場所を埋め立てようものなら、三番瀬の環境が破壊されてしまうのは目に見えている。このため、自然保護団体や近隣住民からの抗議が絶えなかった。

 そしてその状況は、ついに政治にも影響を及ぼした。2001(平成13)年に環境問題を重視する堂本暁子氏が千葉県知事に当選。三番瀬の埋め立て計画は白紙撤回され、同時に第二東京湾岸道路建設計画も中止に追い込まれた。

 だが、時がたって2019年。第二東京湾岸道路建設に向けての動きが復活した。この時点で千葉県知事が森田健作氏に交代していたということも要因のひとつではあるが、前述の通り、東京湾岸道路を取り巻く道路事情は相変わらず改善していなかったことが最大の要因だ。

 もちろん、三番瀬を取り巻く環境問題は無視できない。その一方で、約20年前と比較して、日本という国があらゆる分野においてより一層グローバルに展開していかなければならない今日において、プレゼンスの高い京葉工業地域周辺は、もはや第二東京湾岸道路無しでは立ち行かなくなりつつあったのだ。この考えは、現在の千葉県知事である熊谷俊人氏にも引き継がれ、県知事に就任した2021年において、同様の見解を示している。

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