超巨大で燃費悪 もはやオワコン扱いだった「エアバスA380」がなぜか復権したワケ

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鳴り物入りで登場したにもかかわらず、航空業界の中で「オワコン」化していたA380。そんな同機はなぜ復活したのか。

鳴り物入りで登場したA380

ルフトハンザ航空のA380(画像:pixabay)
ルフトハンザ航空のA380(画像:pixabay)

 エアバスの超大型ジェット旅客機A380は、鳴り物入りで登場したにもかかわらず、燃費の悪さや新型コロナウイルスの感染拡大による旅行需要の低迷により、航空業界の中で「オワコン」化していた。

 しかし、ドイツのルフトハンザ航空は、2022年4月に「A380は二度と使わない」とインタビューに答えながらも、4月下旬にボーイングのB777-9の納入遅れが表面化し、A380使用開始の検討を始めた。今回のそんなA380復活の背景についてリポートする。

オワコンが復活

エアバスのウェブサイト(画像:エアバス)
エアバスのウェブサイト(画像:エアバス)

 エアバスの超大型ワイドボディー機A380は、2階建ての客室を有する世界最大のジェット旅客機だ。大量の旅客を一度に運べる反面、その大きさから燃費が悪く、さらには新型コロナウイルスの感染拡大による旅行需要低迷により、とっくにオワコン化していた。

 しかしながら、急激な旅行需要の回復を受け、2021年秋以降、シンガポール航空や、カタール航空などの航空会社がA380の運用を再開した。ここにきて、さらにA380を運用する航空会社が増えてきている。

 エミレーツ航空のティム・クラーク社長は、6月下旬にドイツで開催されたベルリン国際航空宇宙ショーにおいて、

「所有するA380 119機のうち、現在65~70機を運用しているが、残りのA380を早急に復活させる」

と発表した。この計画を実現するには、40~50人のパイロットの養成が必要になるものの、強力に押し進めるとしている。

 ドイツのルフトハンザ航空は、2022年4月に雑誌のインタビューで、A380を二度と使わないことや、同社が保有する14機の売却を発表していた。しかし、5月にはA380の再運用について検討を開始したのだ。その背景には、急激な旅行需要の回復と、ボーイングのB777-9の納入遅れがあるという。

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