排ガス規制に消えた幻の「2ストローク」が復活! 価格は700~990万円、超高級なのに欲しくなるオーラ満々だ

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1980~1990年代に日本でも圧倒的なパフォーマンスを発揮した、2ストロークサイクルエンジン搭載のスポーツモーターサイクル。排気ガス規制の強化により行動から姿を消していたが、このたび新たなモデルが登場した。

規制をクリアしたメカニズムは

 さてこのエンジンにおける重要なメカニズム上のポイントをかいつまんで説明する。まず燃料供給装置は、電子制御燃料噴射。

 インジェクターは1本だが、その下流にあるリードバルブ/ギロチンスライドバルブと合わせて電子制御することで、排気ガス規制に対応した適正燃焼制御を可能としている。

 また2ストロークサイクルにとって必須の潤滑オイル供給システムは、4基のデロルトの開発による電子制御オイルポンプを採用。スロットル開度、エンジン回転数、エンジン負荷などを総合的に判断することで決定されたオイルは、各シリンダーそれぞれ2か所の吐出口からリードバルブ部に供給される。

 ガソリンに対する混合比は0.5%から5%までと、過去には最大で20%から30%もの混合比を要求していたかつての2ストロークサイクルとは比較にならない小さな数値に止まっており、これもまたユーロ5クリアに果たした役割は極めて大きいと言って良いだろう。

 最高出力と最大トルクはそれぞれ75hp/11700rpm 45Nm/11700rpm。

 最高出力と最大トルクを全く同じ回転数で発揮しているという点がユニークではあるが、かつての2ストロークサイクルは比較的低回転で最大トルクを発生し、高回転もあまり得意ではなかったというエンジン特性を思うと、この新しいエンジンのパワー特性はスロットル開度とエンジン回転数に合わせてリニアに増してゆくという好ましい性格が推測できる。

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