名古屋横転事故から考える バスの「安全対策」はこれまでどのようにレベルアップし、私たちを守ってきたのか?

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8月22日、愛知県の名古屋高速上で乗り合いバスの事故が発生した。今後の事故防止の教訓となるか。

名古屋高速上で発生

名古屋高速道路で横転し炎上した大型バス。8月22日13時ごろ、名古屋市北区(画像:時事)
名古屋高速道路で横転し炎上した大型バス。8月22日13時ごろ、名古屋市北区(画像:時事)

 8月22日、愛知県の名古屋高速上で乗り合いバスの事故が発生した。衝撃でバスは横転炎上し、55歳の運転士と乗客ひとりが死亡したほか、7人が軽傷を負った。事故を起こしたのは、あおい交通(愛知県小牧市)の乗り合いバスだった。

 同社は名古屋空港を中心に5路線を運行しており、事故を起こした車両を保有する野口営業所は2022年3月に営業を開始したばかりだった。7月に国土交通省が実施した監査でも問題は無く、事故原因の調査が進められている。

 不特定多数の人が利用する路線バスは運行本数も多く、事故に遭う可能性も高い。そのため、車両の管理から運転手の労働時間まで各省庁が厳格な基準を定めている。

 例えば、厚生労働省では「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を定め、バス運転手の労働時間の制限している。この基準には

・4週間を平均した1週間あたりの拘束時間は原則65時間(労使協定の締結で延長化だが限度あり)
・1日(始業時間から起算)の拘束時間は13時間以内。延長しても16時間を限度とする
・1日の休息期間は勤務終了後8時間以上
・1日の拘束時間の延長は1週間に2回まで
・休日は最低32時間以上の連続した時間

と記されている。

 労働時間が厳密に定められている背景には、過去に

「超過勤務と事故との因果関係」

が指摘されてきたことがある。そのため、超過勤務の是正は幾度も取り組まれている。