デジタル技術で「高速道路」がもっと便利になるって本当? NEXCO東日本の「構想」から未来を読み解く
日本初の高速道路が全線開通してから半世紀以上。進化する自動車の性能・機能に対して、高速道路はどうあるべきか。NEXCO東日本がまとめた「構想」からその姿を探る。
さらなる発展へ 期待される設備投資
日本での高速道路の誕生から半世紀以上が経過した現在。自動車そのものの性能はもちろん周辺的な機能もまた、かつてとは比べ物にならないほどに進化した。
走る・曲がる・止まるといった基本性能に限っても、大衆的に販売される軽自動車に至るまでその進歩は例外がない。
ドライバーをサポートする機能を見ても、平成初期以降はABS、エアバック、カーナビが登場。そして平成末期には、軽自動車であっても走行から駐車まで充実の機能が搭載されるなど、数十年の間に大いなる進化を遂げた。
近年になり多く宣伝されるようになったドライビングサポート機能だが、実はスバルのアイサイトは1989(平成元)年よりベースとなる技術が開発されるなど、想像以上に長い歴史の上に成り立つ技術だ。
そういったドライビングサポート機能を十分に生かすためには、高速道路のように外的要因が限定された走行エリアが必要となる。
さらにV2X(Vehicle to Everything)の接続システムを活用し、車と車、車と道路などの情報共有が実装されれば、短期間で膨大な車両データを取得できるようになるだろう。
この課題に対しては、環境設備が先か、自動運転車両、EV・FCVの普及が先か、と二の足を踏むのではなく、黎明(れいめい)期ならではの投資として捉えるべきではないだろうか。