止まらない物価高騰 元凶は「物流費」なのか? 業界にまん延する「物流 = コスト」という浅すぎる理解
商品の値上げの元凶と見なされているのが物流費の高騰だ。その背景には何があるのか。
物流システムに付加価値を
中世に商品・貨幣経済が発達して以来、物流の地位は商流・物流一体型の運営として大きな存在だった。
やがて商物分離が進み、お金の流れが優先されるようになった結果、そのポジションは低くなった。今でもその価値観を引きずっているのかもしれない。
物流システムはロジスティクスの中核をなし、そのインフラを提供する重要なビジネスだ。単に機能の提供だけではなく、その管理業務を代行する形にも発展しており、何よりも一番重要な在庫情報を保持している。
物理的機能を提供するだけではコンポーネント(構成部分)サービスであり、付加価値は生まれない。海運のフォーワーダー(貨物代理店)業界のように、基本はノンアセット(資産)型で対応する物流ビジネスも存在しているのだ。