「派遣トラックドライバー」は物流危機を救えるか? サポート体制は年々強化、かつては数日で逃げ出すことも
トラックドライバー不足が深刻化する中、新たなドライバー確保の手段として注目されるのが、人材派遣会社による「ドライバー派遣」である。果たしてドライバー派遣は、人手不足に悩む運送業界の救世主となるのか?
ドライバーにとっての「派遣」のメリットとは
ドライバー側にとって、派遣ドライバーとして働くメリットとは何か。
・有期契約である
他にやりたいことがあり、正社員として会社に縛れる雇用形態は避けたい人など。
・当人の望む条件や労働環境を得やすい
例えば「もう50代後半なので、今さら正社員としていろいろと期待されるのはしんどい」など。
・何かあれば、派遣会社に相談できる
派遣先の会社との間でトラブルなどがあった場合には、派遣会社の担当者に相談することができる。
注目すべきは、最後の理由ではないだろうか。
派遣社員としての働き方を選ぶ人の中には、「正社員を選ばなかった人」もいる。優秀な能力は備えつつも、期待、仲間意識、責任といった、「正社員として働くことで会社から求められるさまざまな要素」を避けたいがために、派遣社員として働く道を選んだ人を、筆者も見てきた。
特にそういった人にとって、派遣会社という相談相手がいるメリットは大きい。もっとも、これは冒頭に挙げた「クライアントと派遣される人に寄り添う」派遣会社でないと実現できないだろう。
その意味では、運送会社側も、派遣会社として働く労働者側も、付き合う派遣会社は、慎重に見極めなければならない。