暴走族化する「旧車會」 近年は警察が摘発対象に再定義、もはや昭和の二輪技術者たちに対する冒涜だ

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これまで旧車會のような「暴走族のようなバイク」に乗っているだけでは違法とは限らなかった。しかし、警察の姿勢は変わりつつある。

激減する暴走族

暴走族(画像:筑摩書房、エヌエイチケイ文化センター)
暴走族(画像:筑摩書房、エヌエイチケイ文化センター)

 暴走族そのものは減っている。

 1970年代には全国で1000を超えるグループが存在したとされているが、交通安全白書(2021年版)によれば2020年調べで暴走族は

「131グループ 5714人」

にまで減った。

 その代わり、旧車會の中で違法行為をする人たちと、グループに入らずサークル感覚で暴走行為を繰り返す人たちとが増えた。足を洗わないままに年を重ね、旧車會を隠れみのにする暴走族もいる。

 趣味趣向はそれぞれだが、旧車はノーマルで当時のままが一番美しいと思う。日本が誇る昭和の技術者たちが高度成長期に手掛けた傑作車の数々、違法行為で汚してしまうのは愛車がかわいそうだし、先達(せんだつ)に対する冒涜(ぼうとく)だと思うのだが。それはともかくとしてせっかくの名車である。暴走族はもちろん、一部の旧車會の人たちは普通に楽しめないものなのだろうか。

 最後に警察は全国で通報を呼びかけている。警視庁は

「暴走族等が行う信号無視や速度超過等の違反は、重大事故につながる危険性が高いことから、暴走族等のい集・違法走行を発見した場合には、安全・安心な地域社会を実現するため、地域のみなさまからの110番通報のご協力をお願いします」

と呼びかけている。

 また「暴走族相談受付」(神奈川県警)、「暴走族相談電話」(茨城県警)など名称はさまざまだが相談窓口があるので、彼らの違法走行や暴力行為に身の危険を感じた場合は遠慮なく活用してほしい。

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