中古車ブームに新たなトレンド到来 レトロ懐かしい「リノベカー」とは何か? そしてなぜ注目を集めるのか

キーワード :
, , , , ,
さまざまな販売スタイルがある中古車。その中で、販売業者が独自に手を加えたカスタムカーの一種「リノベーションカー」が注目を集め始めている。その魅力とは?

「丸形ヘッドライト」がかもし出す魅力

2021年1月に発売されたモデル「ユーロボックス」(画像:フレックス)
2021年1月に発売されたモデル「ユーロボックス」(画像:フレックス)

 それはSAE規格(もともとはアメリカの保安基準である)に準じた丸形ヘッドライトを採用していることと無関係ではない。年齢が上の層にとっては、「そういえば昔のクルマはみんなこんな顔だったな」と思わせ、若い層には「何か目が丸くてカワイイ」と思わせるデザイン。

 その他のディテールはむしろ控えめであり、中でもベースモデルが地味な商用車であるタウンエースベースの「MOL」、プロボックスベースの「EUROBOX」は、クロームメッキをできるだけ排したディテールや落ち着いたボディカラーと相まって、不思議と見る者の印象に残る1台となっている。

 もちろんプロデュースの背景にあるのは紛れもなく「ちょっとだけ古いクルマ」なのだが、そこにはレトロデザインであることに全てを賭けているといったあざとさが見られない。要するに上品なのである。

 販売状態のまま乗るも良し、ディテールを自分なりにカスタムするも良し。基本となるデザインはもはや新型車では見ることができないものであり、そこには無限の可能性が広がっている。まことに見事なプロデュース策であると言って良いだろう。

 ちなみにこれら以外のRenocaのラインナップは、80系と100系のランドクルーザー(1980年代末から2000年代半ばまでのモデル)をベースに、1980年代初期の60系に準じたフロントマスクに変更したモデルや、ハイエースをベースに1980年代のアメリカ製コマーシャルバンを思わせる縦レイアウトの角形4灯ヘッドライトマスクに変更したモデルなど、こちらも少しだけ懐かしいという路線が貫かれている。

 そして、販売状態ではあくまで控えめなデザインであるというのも共通である。

全てのコメントを見る