疑問だらけのリニア「前倒し計画」 一極集中から多極分散への転換は本当に成功するのか
リニア中央新幹線の東京~大阪間の全線開業に向けた動きが強まっている。整備促進を後押ししているのが、岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」の実行計画だ。
デジタル田園都市国家構想でも強調
リニア中央新幹線の東京~大阪間の全線開業に向けた動きが強まっている。整備促進を後押ししているのが、岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」の実行計画だ。
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6月7日に閣議決定した実行計画では、デジタル技術で地方活性化を促す「デジタル田園都市国家構想」を推進。ここでは、一極集中から多極分散への転換を図ることが示されている。
その方法として、高速道路や整備新幹線、リニアなどの高速ネットワークの整備・活用を進めるとされている。そのなかでも、リニア中央新幹線は強調して記されている。
「特に、リニア中央新幹線については、水資源・環境保全などの課題解決に向けた取り組みを進めつつ、三大都市圏やその周辺地域をつなぐ高速かつ安定的な交通インフラとして、早期の整備を促進する」
これまで何度も報じられているとおり、リニア中央新幹線を巡っては、南アルプスを貫通する工事で
・水資源
・生態系
への影響が懸念され、静岡県は本格着工を認めていない。
このため、当初予定されていた東京~名古屋間の2027年開業は難しくなっている。当初計画では、名古屋~大阪間は2045年の開業を目指していたが、名古屋での開業が遅れている状況では難しいとだろう。