横田基地「日米友好祭」 11万人来場で活況も、背後にひそむ「騒音問題」という終わりなき悪夢
「最高105dB」電車のガード下と同じ

とりわけ福生市は騒音問題を重視し、2000(平成12)年から市内2か所でヘリコプターを含む軍用機の離着陸の騒音を測定し公表している。
市役所屋上で測定された最新データを見ると、測定回数254回で最高音圧レベルは
「82dB」
だった。平均では46dBの騒音が記録されている。
騒音の指標では80dBは、
・走行中の電車内
・直近の救急車のサイレン
・パチンコ店内
などの音の大きさだ。50dBは
・直近の家庭用エアコンの室外機
・静かな事務所の中
の音の大きさとされている。
この数値だけ見ると常時うるさいわけではないが、福生市役所は横田基地からは1km程度離れている。つまり、基地周辺はこれよりはるかにうるさいのだ。
もうひとつの測定場所である福生市熊川1571番地先(JR拝島駅の西1kmほど)では、測定回数1197回で
「最高105dB」「平均65dB」
となっている。
100dBは電車の通っているガード下や地下鉄構内と同等の音量で、会話はほとんど不可能だ。60dBは走行中の自動車内の騒音。頻繁に自動車の車内レベルの音がして、時々会話もできないような音がやってくると考えると、住民にはかなりストレスである。
とりわけ近年では、配備されているオスプレイの活動が頻繁に実施されており、
・夜間の飛行
・家が揺れるレベルで低空飛行
といった事例も報告されている。
「横田空域」という治外法権エリア

横田基地が存在することで発生する問題は、基地周辺にとどまらない。
とりわけ山梨県内では米軍基地の低空飛行や騒音による苦情が増加している。背景にあるのは「横田空域」の存在だ。正しくは横田進入管制区と呼ばれる空域は1都9県にまたがり、米軍が優先的に訓練飛行や輸送機の発着に利用できる。
「日本の領空ながら日本の主権が及ばない治外法権エリア」
となっているのだ。
日米の間には「日米地位協定の実施に伴う航空法の特例法」が存在し、米軍機に関しては夜間の灯火義務や飛行禁止区域の、最低安全高度の順守、編隊飛行の原則禁止など航空法の規定が適用されないことになっている。
協議機関である日米合同委員会で、米軍はあくまで影響を最小限にすると表明はしているものの、騒音が軽減される気配はない。