月額わずか1200円! 6月スタートのドイツ「乗り放題チケット」は公共交通の在り方を変えられるか?
ドイツで6月1日から「9ユーロチケット」の取り組みが始まる。チケットを購入すると、ドイツ国内の公共交通機関が1か月9ユーロで乗り放題になる。このチケットは、バカンスシーズンの観光客には魅力的だ。
1か月9ユーロで乗り放題
ドイツで、6月1日から「9ユーロチケット」の取り組みが始まる。このチケットを購入すると、ドイツ国内の公共交通機関が1か月9ユーロ(約1200円)で乗り放題になる。
ドイツ政府によると、エネルギー価格高騰の対策だけでなく、公共交通の利用を促すことによる気候変動対策も兼ねている。
しかしながら、この夢のようなチケットは6月から8月までの期間限定で、ドイツ政府が狙うような効果が得られるのかと疑問視する声もある。そこで今回は、9ユーロチケットを取り巻くドイツ国内の状況を解説する。
9ユーロチケットとは何か
ドイツ政府が実施する「9ユーロチケット」は俗称であり、正式名称は「9fur 90」という。この破格のチケットの概要は、以下のとおりだ。
・料金:1か月9ユーロ(約1200円)。6歳未満は無料だが、6歳以上は9ユーロチケットが必要。
・発売開始:5月23日
・利用期間:6月1日0時から8月31日24時まで
・利用範囲:鉄道、バス、地下鉄、路面電車など、ドイツ国内全ての公共交通機関で使用可能。ICEなどの長距離列車、長距離バスでは利用不可だが、ローカル列車を乗り継いでの長距離移動は対象となる。
・利用可能車両:2等車のみ
・自転車持ち込み:不可
6月1日から8月31日までの3か月間フルに活用する場合は、27ユーロ必要になる。もちろん旅行だけでなく、通勤定期としても利用可能である。
日本で例えるならば、JRの普通や快速列車のみならず、私鉄や地下鉄、バスも含めて、1200円で1か月間乗り放題になるという具合だ。