「駅前でも汚い車は借りません」 なぜ29歳以下はレンタカーで「清潔さ」「予約のしやすさ」を重視するのか?

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2025年に116万台規模へ拡大したレンタカー市場。8009人への調査では、29歳以下の層が店内の雰囲気(7.26点)など「利用体験」をシビアに評価する実態が浮かび上がった。タイムズが前年比113.7%と急伸し二極化が進むなか、ハードの保有からソフトの競争へと変貌を遂げる産業の最前線に迫る。

仕組みの優劣がもたらす二極化

「GMO顧客満足度ランキング」における「レンタカー」カテゴリのランキング結果(画像:GMOリサーチ&AI)
「GMO顧客満足度ランキング」における「レンタカー」カテゴリのランキング結果(画像:GMOリサーチ&AI)

 世代ごとの評価を細かく見ていくと、興味深い事実が浮かび上がる。点数の開きが生じているのは、車の性能や値段そのものではなく、貸し出す前後のやり取りや空間の質といった領域なのだ。例えば「予約のしやすさ」において29歳以下は7.72点という全世代の平均を超える数字をつけている。さらに「店内の清潔さ・雰囲気」では7.26点となっており、30~59歳の6.68点や、60歳以上の6.38点と比べても、その差ははっきりと現れている。

 こうした数字が意味するのは、店側とユーザーが出会う最初の場所が、リアルの店舗からデジタルの空間へと移り変わっているという変化だろう。事業の重みが、裏側の仕組みや画面上の使い勝手へと移りつつあるのだろう。どれだけ多くの車を揃えるかだけでなく、

・アプリでの予約
・無人での貸し出し

といった仕組みそのものが、企業の力を左右する要素になってきた。若い世代の厳しい目が、結果として現場の手入れや手際の良さをいっそう高めることにつながっている。

 現に、業界全体の車両の数は2022年の64万6815台から、2025年には116万8522台へと大きく増えた。この急激な広がりは、限られた乗り手をいかに効率よく回していくかという、新しい運用のあり方への移行を如実に物語っている。

 こうした動きは、それぞれの企業が上げる数字の明暗としても現れ始めている。国内の大手7社に目を移すと、12万9175台という圧倒的な規模を守り続けるトヨタレンタカーが依然として存在感を示す一方で、3位のタイムズレンタカーは6万3180台を抱え、前年比113.7%という高い伸びを見せた。その一方で、ジャパンレンタカーが8416台(前年比97.0%)、三菱レンタカーが3510台(前年比94.1%)となるなど、同じ業界のなかでの二極化が確実に進んでいる(2024年3月末時点)。

 どこで差がついたのかを考えると、やはり利用者との接点をどう捉えるかという考え方の違いに行き着くだろう。駅の近くに店を構えて在庫を管理するこれまでのやり方に対して、カーシェアの仕組みを取り入れたやり方は、アプリの基盤と無人での稼働を前提としており、若い世代が求めるスムーズな移動の感覚に馴染みやすい。

 いまや事業者の役割は、ただ車を調達することから、心地よい空間や移動の時間そのものを手渡す役割へと変わりつつある。街の一等地を離れ、商業施設やマンションの空きスペースを拠点にするなど、地域の暮らしやインフラと結びついた新しい動きが、そこかしこで始まっている。

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