なぜ「81%」はEVを検討していないのか? 販売増が続く9か月の熱狂、市場拡大と未検討層が共存する不思議

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2026年5月、国内EV販売比率は過去最高の3.5%に達した。だが、これを一律の普及と捉えるのは早計だ。補助金増額を追い風にHVとの逆転現象が生じた登録車が躍進する一方、支援の薄い軽EVは急減速。未検討層が8割を占めインフラ不安も残るなか、政策と実利がもたらす市場内の構造変化を読み解く。

保有体験の重視と市場の再配分

EVに関するアンケート結果(画像:パーク24)
EVに関するアンケート結果(画像:パーク24)

 起きているのは、EVが一様に広がっている状況ではない。国の方針や買うときの条件が変わるにつれて、市場の中身が細かく入れ替わっているのだと見るほうが腑に落ちる。登録車EVの勢いと軽EVのブレーキ、そして依然として大部分を占める未検討層の存在は、ばらばらに起きているのではない。補助金がどうなるか、充電できる場所がどれくらい増えるか、買い手の気持ちがどう動くかというひとつのつながりの中で動いている。

 このつながりは、実際にEVを持ったことがある人たちの動きを見るとよりはっきりと見えてくる。調査によると、EVを「購入し現在も保有している」人は2%、「購入したが現在は手放した」人は1%で、買った経験のある人みんなを合わせても3%にとどまっている。

 そのなかで手に入れて乗り続けている人たちは、「ガソリン車より維持費が安いから」が55%で最も多く、「税制優遇があるから」が44%、「環境に優しいから」が40%と、日々の暮らしの中での良さをしっかりと受け止めている。

 これから先、広がったこの動きをどうやって息の長いものにしていけるかが大切になってくる。まだ買ったことがない層が求めている条件をみると、「価格が手ごろになったら」が47%、「EVステーションが増えたら」が42%、「航続距離に不安がなくなったら」が30%となっている。

 その一方で、「購入するつもりはない」という答えも30%と同じ数字で並んでいる。こうした思いの多様さは、この市場がまだ始まったばかりの段階にあり、これからの技術の進み方や周りの環境の整い方次第でいくらでも姿を変えていく可能性を示している。

 車をつくる側や売る現場、新しい動きに関わるプレイヤーにとって必要なのは、次に買い替えるときや日々の使い勝手までを見据えて、持っている間の心地よさそのものを高めていく視点だ。

 東京都の新築の建物に充電の備えを求めるような動きとも歩調を合わせながら、業界をまたいだ新しい協力の形ができつつある。目に見える販売実績と買い手たちが抱く期待がうまく噛み合うことで、国内のEV市場は次の段階へと進んでいくことになるだろう。

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