「もうマイカーで遠出はしません」 長距離ドライブは“コスパ最悪”なのか? 4割が車移動を減らした、見えない出費の正体

キーワード :
, ,
燃料価格の上昇にともない、回答者の93.1%が不安を抱え、4割以上が車移動を減らすなどモビリティの選択が激変している。維持費などの不透明な出費を嫌う消費者の鉄道回帰は、自動車産業を「所有」から「利用」へと促し、新たな移動システムの一部へと変容させる。燃料高がもたらした交通インフラの変貌に迫る。

途中下車が促す地域消費の拡大

西武線発駅から西武秩父駅までの往復の乗車券と、芦ヶ久保~西武秩父駅間と秩父鉄道(野上・長瀞~三峰口駅間)のフリーきっぷをセットにしたきっぷ(画像:西武鉄道)
西武線発駅から西武秩父駅までの往復の乗車券と、芦ヶ久保~西武秩父駅間と秩父鉄道(野上・長瀞~三峰口駅間)のフリーきっぷをセットにしたきっぷ(画像:西武鉄道)

 フリーパス型のきっぷ利用は、財布に優しいだけでなく、旅人の心の動きを変え、地方の観光地に新たなお金の流れを生み出す。

 車移動では目的地への最短ルートを選び、道中は通過点になりやすい。しかしフリーパスなら何度降りても追加料金がかからないというゆとりが、ちょっとあの駅で降りてみようといった偶発的な寄り道を促す。

 立ち寄る回数が増えて滞在時間が延びれば、食事や土産物などひとりあたり数千円の手頃な追加消費が生まれる。旅行者が沿線に分散することで、名所だけでなく駅周辺の小さな店舗も潤い、地域での消費機会が自然と増加する。

 この動きにあわせ、自動車側も駅から先の移動を補完するため、超小型モビリティや電動シェアサイクル、電気自動車のカーシェアを駅周辺に配備し始めた。車専用だった道の駅も公共交通と連携した地域周遊の出発点へと姿を変え、交通プレイヤーたちが手を取り合って地方を支える土台を形作っている。

 ガソリン高騰を機に始まった公共交通や企画きっぷへのシフトは、旅のコストパフォーマンスを高めるだけでなく、特定観光地への過度な集中を緩和する効果も期待される。沿線全体に賑わいを行き渡らせる、持続可能な観光への有効な一手となるだろう。

全てのコメントを見る