なぜ猫の救援要請は「6月」に急増したのか? 自動車に潜む“冬の風物詩”の裏にあるリスクとは
「猫のエンジンルーム侵入は冬の問題」――そんな常識が揺らいでいる。JAFによると、2025年6月の救援要請は402件と11月の約4.8倍に達した。背景にあるのは子猫の行動活発化と都市の駐車環境の変化だ。数秒の確認で防げる身近なリスクは、今や個人ドライバーだけでなく、企業の車両管理やモビリティサービス運営にも関わる課題となりつつある。
初夏に多発する猫被害

クルマのエンジンルームに猫が入り込む――そう聞くと、多くの人は冬の光景を思い浮かべるだろう。寒さを避けようとした猫が暖かいエンジンルームに潜り込み、思わぬトラブルにつながる。毎年冬になると話題になるため、「猫とクルマの問題は冬のもの」というイメージは広く定着している。ところが、日本自動車連盟(JAF)が公表した調査結果は、その常識に小さくない修正を迫るものだった。
2025年6月、全国で「エンジンルームに猫が入り込んだ」としてJAFに救援要請が寄せられた件数は402件に達した。一方、同年11月に実施された同様の調査では83件だった。6月は11月の約4.8倍。さらに、直近3年間の6月の調査のなかでも最も多い件数だったという。
猫のエンジンルームへの入り込みは冬場に多い――そんな先入観を持っていた人にとっては意外な数字だろう。実際には、冬よりも初夏のほうが多くのトラブルが発生していたのである。
私たちはしばしば、過去の経験や繰り返し目にする情報をもとに季節のリスクを判断している。しかし現実には、リスクが高まる時期と人々の認識が必ずしも一致するとは限らない。今回のデータは、そんな認識のズレを静かに示しているようにも見える。