「近鉄グループとの関係を保ちながら…」 なぜ三重の交通グループは3期連続の“最高益”を更新できたのか?
近鉄グループ内の独立経営体制

三重交通はその名のとおり、三重県を地盤とするバス会社である。1931(昭和6)年に伊勢電鉄自動車(後の神都交通)として設立され、1944年には北勢電気鉄道、三重鉄道、三重乗合自動車、松阪電気鉄道、志摩電気鉄道、伊賀自動車を合併し、三重交通が誕生した。
1950年に名古屋証券取引所に上場し、2006(平成18)年に三交HDとして持株会社体制へ移行、2009年に三重交通グループHDへ商号を変更している。かつては鉄道も持っていたが、もともとの主力は日本でも有数の規模を持つバス事業である。北海道中央バス、神奈川中央交通、神姫バス、新潟交通などと並び、バス会社としては数少ない上場企業だ。
近鉄グループとの関係も強い。2026年3月31日時点で近鉄グループHDは株式の38%を保有している(日本マスタートラスト信託銀行の近畿日本鉄道退職給付信託口を含む)。近鉄グループHDの公式サイトでは、同社は子会社・関連会社一覧(2025年3月31日現在251社)に含まれており、連結子会社ではないが持分法適用関連会社となっている。
大手私鉄が沿線地域のバス会社を傘下に持つことは一般的である。ただし同社は近鉄グループに属しながらも、営業収益1000億円を超える上場企業であり、グループ内でも独自の事業展開を行っている。
実際、同社が2026年3月期の連結決算公表日と同日に別途公表した「支配株主等に関する事項」では、近鉄グループは同社と似た事業を行っているが、主な事業地域が異なるため事業上の制約やリスクはないとしている。一方で、県内外からの旅客誘致などでは協力関係にあるとしている。また、同社役員16人のうち近鉄グループとの兼務はふたりにとどまり、経営判断を妨げるものではなく、独立性は保たれているとしている。