なぜ親の「8割」が資金援助するのか? クルマ購入で「親子の役割分担」が広がる根本理由

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新社会人の5割超が購入に前向きなマイカー。しかし、若年層の平均給与277万円に対し、新車価格の高騰や維持費の負担が自力調達の壁となる。約8割の親が費用を支援するなか、車種選びの主導権は子が握る二層化が定着。安全を求める親と定額制を好む子の需要を満たす、自動車販売の新たな生存戦略に迫る。

定額制サービスの台頭

現在の自家用車を購入した際、重視したこと(画像:ホンダアクセス)
現在の自家用車を購入した際、重視したこと(画像:ホンダアクセス)

 ホンダアクセス(埼玉県新座市)が、自家用車を月に1日以上運転する20~69歳のドライバー1000人を対象に実施したクルマと電気自動車(EV)に関する意識・実態調査によると、自家用車を購入する際に重視した点の首位は価格で、58.8%を占めた。近年の物価上昇や可処分所得の伸び悩みを背景に、費用を慎重に見極める傾向は世代を問わず広がっている。

 こうした費用への意識の高まりに加え、若い世代にとって移動手段が欠かせないことや、親世代の安全を重視する考え方が重なった結果として広がっているのが、資金は親、選択は子という役割分担だろう。親は限られた予算のなかで安全性を確保したいと考え、子どもは日々の移動に使いやすいクルマを選びたいと考える。双方の希望を限られた資金のなかでどう両立させるかが、いまのクルマ選びにおける大きな課題となっている。

 若者が自力でクルマを所有する際の負担は、車両価格だけではない。年齢条件によって高額になりやすい任意保険料に加え、車検や整備などで発生する予期しない出費も重くのしかかる。スマートフォンの月額料金など定額の支払いに慣れた若い世代は、毎月の支出を見通せることを重視する傾向が強い。

 こうした役割分担の広がりは、これまでの個人が販売店へ行き、自分でローンを組むか現金で購入するという従来の販売方法にも変化をもたらしている。親子双方の希望や予算に応える手段として、初期費用を抑えながら、任意保険や日常の整備費用、最新の安全機能などを月額料金に含める定額利用サービスや残価設定型ローンへの関心が高まっているからだ。

 こうした仕組みであれば、親は一度に大きな金額を負担するリスクを抑えられ、子どもは毎月の収入の範囲で計画的に支払いを続けやすくなる。

 この流れは利用者側の利便性にとどまらない。自動車メーカーにとっては、車両価格の上昇によって購入が難しくなっている若年層を、親の資金力や信用力も含めて取り込み、将来の顧客としてつなぎとめる販売戦略でもある。

 若者だけではクルマの維持が難しくなりつつあるなか、親という支援者を含めた購入行動の変化を的確に捉え、親子双方の希望に応える提案ができるかどうかが、今後の自動車メーカーや販売店の競争力を左右する要素になりそうだ。

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