なぜ親の「8割」が資金援助するのか? クルマ購入で「親子の役割分担」が広がる根本理由

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新社会人の5割超が購入に前向きなマイカー。しかし、若年層の平均給与277万円に対し、新車価格の高騰や維持費の負担が自力調達の壁となる。約8割の親が費用を支援するなか、車種選びの主導権は子が握る二層化が定着。安全を求める親と定額制を好む子の需要を満たす、自動車販売の新たな生存戦略に迫る。

若者の収入と購入の壁

年齢階層別の平均給与(画像:国税庁)
年齢階層別の平均給与(画像:国税庁)

 そもそも、今の若い世代がマイカーを手に入れるうえで、親の金銭的な支えは欠かせない。先述のKINTOの調査では、お子様のマイカー購入/契約に関わる費用をサポートしましたかという問いに対し、親が費用を支援した割合は

「約8割(79.8%)」

に達した。内訳は、全額を援助したが30.6%、一部を援助したが40.7%、費用の全額または一部を立て替えた(後日返済予定)が8.5%だった。

 これが同居世帯になると、全額を援助したが34.5%、一部を援助したが43.2%、費用の全額または一部を立て替えた(後日返済予定)が8.3%となり、支援している親の割合は9割近く(86.0%)まで高まる。

 親が費用を負担する最大の理由は、子ども本人に十分な貯蓄や収入がなかったからという現実的なものだ。約5割(49.0%)の親がそう答えている。

 実際、若年層の収入をみると、国税庁が2025年9月に公表した2024年分の民間給与実態統計調査の年齢階層別の平均給与では、20~24歳の平均給与は277万円にとどまる。無理のない購入予算は年収の半分程度が目安とされるため、この年代が自力で用意できる資金は138万円前後が上限という計算になる。

 しかし、実際に138万円以内でクルマを探しても、現在の市場では条件に合う選択肢は多くない。背景には、国際的な環境規制への対応によるハイブリッド化や、先進運転支援機能の標準化などにともなう車両価格の上昇がある。

 かつて若者の入門車だった100万円台前半の新車は市場からほぼ姿を消し、軽自動車やコンパクトカーでも200万円を超えるケースが珍しくなくなった。購入時には車両価格に加えて税金や保険料などの諸費用がかかり、購入後も燃料代や日常の整備費、駐車場代、車検費用などの負担が続く。

 若年層の収入が大きく伸びない一方で、制度対応や技術の進歩によって車両価格は上がり続けており、その差は広がっている。自力で用意できる予算だけでは、新車や状態の良い中古車を選ぶことが難しくなり、親の支援が必要になる。

 こうした状況を見ると、費用を負担する親がクルマ選びも主導しそうに思える。しかし実際には、子どもの希望が強く反映される例が少なくない。そこには、親世代ならではの考え方が関係しているようだ。

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