なぜ親の「8割」が資金援助するのか? クルマ購入で「親子の役割分担」が広がる根本理由

キーワード :
新社会人の5割超が購入に前向きなマイカー。しかし、若年層の平均給与277万円に対し、新車価格の高騰や維持費の負担が自力調達の壁となる。約8割の親が費用を支援するなか、車種選びの主導権は子が握る二層化が定着。安全を求める親と定額制を好む子の需要を満たす、自動車販売の新たな生存戦略に迫る。

安全性を重視する親心

子どものマイカーの車種・グレード選びに対する親の関与度(画像:KINTO)
子どものマイカーの車種・グレード選びに対する親の関与度(画像:KINTO)

 お金の面で支える親世代だが、子どものマイカー選びにおける車種やグレード選びへの関わり方を見ると、親が主導して候補を絞り、決定権も握っていたは11.7%、親が主導して候補を絞ったが、最後は子どもに任せたは29.3%だった。主導的に関わった親は全体の約4割(41.0%)にとどまる。

 一方で、親子で相談して決めたは21.5%、子どもが希望し、親が了承したは13.7%、子どもが主導して決めたは15.3%となっており、全体の約半数(50.5%)が子どもの意見を反映して選んでいる。

 費用を負担しながらも、クルマ選びには深く踏み込まない親が多いようだ。その背景には、親が子どもに乗ってほしいと考える基準が、ブランドや見た目ではなく別のところにあることがうかがえる。

 親がクルマ選びで重視した、あるいは重視してほしいと考えた項目のトップは、安全性能(衝突回避支援など)で39.4%に達した。また、費用を支援した理由についても、35.9%がより安全性の高いクルマに乗ってほしかったからと答えている。

 さらに、子どもが初めてマイカーを持つことについて、率直な気持ちを教えてくださいという問いには、61.2%の親が事故を起こさないか心配と答えた。

 こうした結果を見ると、親の金銭的な支援は働き始めた子どもの安全を守るための支出といえる。新社会人が大きな事故を起こし、けがを負ったり、高額な賠償責任を抱えたりすれば、家計への影響も小さくない。運転支援機能を備えたクルマにお金をかけることは、将来の大きな負担を避けるための備えという意味合いを持つ。

 事故を防ぐために必要な安全性が確保されていれば、日常の使いやすさや見た目、細かなグレードなどの好みに関わる部分は、実際に運転する子どもの判断を尊重したほうがよい。そうした考え方が広がっているからこそ、親は費用を支え、子どもは選択を担うという役割分担が成り立っているのである。

全てのコメントを見る