物流崩壊の足音に気づかぬ「荷主たち」――改正効率化法7割が不知、2030年“供給断崖”の現実とは

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2026年施行の改正物流効率化法、認知率は16.8%にとどまり7割が内容を把握せず。荷主・運輸・消費者の認識格差が供給網に影を落とし、2030年の輸送ひっ迫リスクが現実味を帯びる。

迫る物流2030年問題

改正物流効率化法に関する企業の意識調査(2026年4月)(画像:帝国データバンク)
改正物流効率化法に関する企業の意識調査(2026年4月)(画像:帝国データバンク)

 2030年、日本国内で運ばれるはずの荷物のうち、およそ9億t分が立ち往生する。そんな予測が現実味を帯びるなか、法制度への理解の鈍さや、現場と経営のちぐはぐな動きは、もはや放っておける話ではない。

 時間が経つにつれて、これらは現場の工夫でどうにかなる範囲を軽々と超えていくだろう。働き手の不足やトラックの待ち時間、届けられるまでの日数の調整といった重い課題は、すでに一企業の努力で抱えきれる段階を過ぎている。これからは、社会全体のものを運ぶ力が直接削られていくことになる。

 すでに先んじて動く企業も現れている。ある製造現場では、トラックから鉄道や船への切り替えを進め、配送の大口化や共同配送、パレット導入によって負荷を減らしているという。また、別の現場では専用のアプリで計画を共有し、届け先での待ち時間を1時間以内にするよう協力を仰いでいる例もあり、情報の風通しを良くすることが守りの一手となっている。こうした個別の試みを産業全体の仕組みへと広げていけるかどうかが、これからの成否を分けることになる。

 なかでも、部品の調達から完成した車の輸送、さらには海を越えた輸出入までが複雑に重なり合う自動車産業への影響は計り知れない。物流が滞ることは、そのまま作る計画が立ち行かなくなることを意味する。部品ひとつが届かなければ、製品ができあがり、客の手元に届くまでの全ての流れが止まってしまう。得意先が余裕を持って発注し、在庫を多めに抱えられるよう行政からも促してほしいという卸売現場の切実な声は、これまでの持たない経営が物流の限界によって立ち行かなくなりつつある実態を物語っている。

 いま私たちが目にしている取り組みは、こうした幾重にもつながる鎖が切れないような仕組みへと、ようやく移り変わるための備えにほかならない。物流を安定して守り抜くことが、もの作りを続けるための土台になる。業界全体がいま、物流を物事の始まりに置いた協力体制の整備へと、大きく舵を切りつつある。

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